学校に行かなくていいけれど
夏休みが終わるこの時期になると、自ら命を絶つ子どもがいます。
過去40年分の18歳以下の子どもの自殺者を調べたデータによると、夏休みが終わり新学期が始まる時期に自ら命を絶つ子どもが突出して多いことが分かります。
夏休みが終わるこの時期、子どもたちに何が起こっているのか。昨日は栃木県の宇都宮市で不登校の子どもとその親御さんの支援をされている土橋優平さんとスペースでお話ししました。
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100名ほどの方が参加してくださり、コメント欄にご質問・コメントもいただきました。
私も学校に行きたくない時期はありましたが、行かないことは「負け」なんじゃないかと、意地でも行っていた気がします。
だからといって、今学校に行けていない子どもに対して「無理をしてでも行け」とは思いません。死んでしまいたいと思うくらいなら、絶対に行かないでほしい。そう思います
学校以外の選択肢を社会にふやすことは必要です。大人は「自由」があります。もちろんその責任も伴いますが、自分で生きていく環境を選ぶことができるわけです。
しかし、子どもはただでさえ見えている世界が狭くて小さいうえに、選ぶ自由も限られています。
なので学校に行かない、あるいは学校以外の選択肢を選ぶ子どもがいるなら、その意志を社会全体で尊重してあげてほしいと思います。
その時に周りの大人が見守ることも必要ですが、子どもにも「自分で選んだ」という自己決定をしてもらうことも、必要なのではないかと思います。
また、人生で一時的に休むことがあるのは別にいいと思いますが、それが長期化するといろんな問題が出てくることもあります。どこかで自分の意志で再び社会に戻ることを後押しするのも必要なのではないかと思います。(これはとても繊細で難しい問題なのは承知なうえで)
私も精神的に不調で2年ほど仕事をせず引きこもりの時期もありましたが、なんとか仲間に恵まれて社会とのつながりを取り戻すことができました。
自分の意志で社会復帰するにあたり、もう思い出したくもないような、それなりにしんどいこともありましたし、何なら今もその空白期間のせいで理不尽さを味わう時もあります。
とはいえずっと社会から断絶していた当時に比べたら、とても幸せな状態だと思います。
そういった自分の経験もあり、政治や社会問題のトークイベントや哲学対話を通じて、居場所感を感じられる「対話の場づくり」を今は仕事にしています。
土橋さんとお話しする中で「今の大人は余裕がない」という言葉に考えさせられる場面がありました。私もそう思います。大人というのは親御さんだけではなく、学校の先生や、もっと広く社会で生きる大人全般も含めてです。
大人にも一休みして自分を見つめ直す時間があれば。そんな思いで私は「対話」の場を続けていきたいと思います。