差分和分について③【差分和分学の基本定理】
差分和分学の基本定理
関数$${f(x)}$$について、次が成り立つ。
$$
\Delta\left(\sum_a^xf(t)\delta t\right)=f(x)
$$
これを和分差分学の基本定理とよぶ。証明は以下のとおり。
$$
\begin{align*}
\Delta\left(\sum_a^xf(t)\delta t\right)
&=\sum_a^{x+1}f(t)\delta t-\sum_a^xf(t)\delta t\\
&=\sum_{k=a}^x f(k)-\sum_{k=a}^{x-1} f(k)\\
&=f(x)
\end{align*}
$$
定和分と不定和分
$${F(x)}$$を$${f(x)}$$の不定和分とする。このとき、以下が成り立つ。
$$
\sum_a^bf(x)\delta x=\sum_{k=a}^{b-1}f(k)=F(b)-F(a)
$$
証明は以下のとおり。
和分差分学の基本定理より、$${C}$$を和分定数として
$$
F(x)=\sum_a^xf(t)\delta t+C
$$
と表せる。ここで、両辺に$${x=a}$$を代入すると、$${\displaystyle\sum_a^a f(t)\delta t=0}$$より$${F(a)=C}$$となるので、
$$
F(x)=\sum_a^xf(t)\delta t+F(a)
$$
となる。この式に$${x=b}$$を代入することで、
$$
\sum_a^bf(x)\delta x=F(b)-F(a)
$$
が得られる。(定和分において被和分関数の変数は任意なので、変数を$${t}$$から$${x}$$に変更した)
和分差分学の基本定理を説明しました。次は、積の差分と瞬間部分和分です。