あるYRHの食事〜おでん・・です。
“あるYRHは一日3食680円の食材費(消耗品含む)で給食会社に食材の調達、調理などを委託しています。施設と委託会社の相互の都合により、栄養士は施設の職員のみで、献立作成、発注、在庫管理、材料費の管理、食数の管理などの業務を行なっています。”
朝は、一面雪景色。肌寒い季節は温かなお料理がご馳走です。ということで、本日はおでんを屋台風に、食べ放題の日です。
高価な食材はありません。そして高齢者施設ですから誤嚥のリスクの高い食材は切り方を工夫。例えばこんにゃくは手綱切りで可能な限り大きな塊で飲み込まないような配慮もします。そして、うずら卵のような気管にピタリと嵌まり込んでしまう大きさの食材にも注意をしています。さらに、たくさんの種類を食べていただけるように、大根以外は私たちが手bるときの半分程度の大きさに切っています。
さて、そのおでんですが、朝から出汁の香りがのぼり、皆様とっても楽しみにされて食堂へいらしてくれます。
10種類の具材を用意しました、お好みで選んでいただきます。選んでいただいた具材を調理員がお皿に取り分けます。もちろんおかわりも自由。
「大根を2つと竹の子と竹輪と半片2枚、ロールキャベツと・・・・・。あれ、もうお皿に入らない!」となり、お元気な方はおかわりに来てくださいます。
認知症が進んでくると、おでん鍋の中に手を入れてしまう方もいらっしゃいます。今年は事前に察知し、危機一髪、避けられました。
また、考えるのが面倒になってしまう方は、「全部」とか「一通り」などと言いますが、「全部と言うのは禁止!!」としており、ちゃんと食べたい食材を声に出してもらいます。こちらからの誘導もします。
選ぶのが迷う方にも、こちらからお声かけいたします。「お大根は食べますか?丸天は?ロールキャベツは?」おおよそのお好みがわかりますので、上手に誘導します。
カウンターも賑やかで、とっても楽しく和やかで、食べられた方は満足感に浸って食堂を後にされます。ただ一つ残念なのは、熱燗がないことでしょうか。夕食にのんびりと鍋を囲むようなお食事は、感染対策からできなくなりました。
せめて、屋台の雰囲気を楽しんでいただきます。
◎本日のメニュー
・おにぎり(梅干し)1個
・おでん(8品)
・フルーツゼリー
栄養価 約420Kcal、塩分2.8g
*このお話は実話をもとにしたフィクションです。なお、「YRH」とは私が作りましたDAI語風の養護老人ホームの略語です。
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