上皿さお秤
同じ分量をたくさんつくる時に使う器具
「例えば、40gのものを100個つくる時に使うと便利だよ」
と、天狗堂海野製パン所の店主海野滋さんが教えてくれた。
上皿さお秤は、同じ分量をたくさんつくる時に便利な器具である。
(写真:HOKUTOWの上皿さお秤)
パン屋さんによっては、デジタル式の秤で計っているところも多く見受けられるが、天狗堂ではそのような作業をする時にこの秤を使っている。
上皿さお秤の音
私はこの上皿さお秤が好きだ。パン屋さんの厨房に置いてあるのを発見すると、内心嬉しくなる。
この器具のどこが好きかと言えば、錘が浮き沈みする時に聞こえてくる“カタン、カタン”と言う音だ。
小気味よいその音を聞いていると、一つ一つパンがつくられていることが確認できてどこか安心できる。
船のような形
そして、船を横から見たような形も好きだ。秤を船に例えると、船首の辺りがキュッとした括れのようになっているところや、どっしりとして安定した船底など。
写真の角度から見た上皿さお秤はとても勇ましく見える。
使い方
パン生地をスケッパーで分割して天秤の上に乗せる。すると、その重みで吊り下げられていた錘が上に浮き上がる。浮き上がると同時にその生地を移動させて、また別の生地を乗せる。
その繰り返し。
単純な作業に見えて、実際にやってみると難しいのだろうな。と、パン職人さんの素早い手さばきをみてそう思った。
■天狗堂海野製パン所
住所:京都府京都市中京区壬生中川町9
電話:075-841-9883
定休日:日、祝
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