私は京都でフィルムで撮影できる出張写真館を営んでいる。 写真館は店舗がなく、お客さまが撮ってほしいと希望される場所まで行って撮影するというスタイルでやっている。 写真館の事業理念として、「 おだやかな幸せ 」を届けるために、日々の家族写真の撮影や、パン屋ツアーガイドの仕事を行なっている。 1.はじめに 2.おだやかな幸せとカメラマンの眼差し 3.おだやかな幸せであるために 1.はじめにこの回に至るまで、その「 おだやかな幸せ 」について、私なりの視点でそのカタチをコト
私は京都でフィルムで撮影できる出張写真館を営んでいる。 写真館は、実際の写真館( 建物 )はなく、お客さまが撮りたいと希望される場所まで行って撮影するというスタイルでやっている。 写真館では、「 おだやかな幸せ 」を届けるということを事業理念としていて、日々の家族写真の撮影や、パン屋巡りのツアーで意識をしながらそれをお届けしている。 「 おだやかな幸せ 」というカタチのないものをお届けするので、こうして文章で言葉にしてみたいと思う。 1.私の周りのおだやかな幸せ 2.
私は京都で出張写真館、「 田村寫眞館 」を営んでいるオーナーの田村泰雅という。 写真館では、「 おだやかな幸せを届ける 」という事業理念をもと、写真撮影に臨んでいる。幸せにはさまざまなカタチがあると思うけど、写真館ではお客さまに「 おだやかな幸せ 」をお届けしている。 1.「幸せ」じゃなく「おだやかな幸せ」について 2.おだやかな幸せを探して 1.「 幸せ 」じゃなく「 おだやかな幸せ 」についてもしこのコトバが、「 幸せを届けている 」と言うと、なんだか嘘っぽくなるよ
私は京都で出張写真館を営んでいる田村寫眞館オーナーの田村泰雅という。 店舗は持っておらず、お客さまが撮りたい場所まで行って撮影するというスタイルの写真館である。 事業理念として、「 おだやかな幸せ 」を届けるといったことを掲げている。 私がお届けしようとしている「 おだやかな幸せ 」について、カタチのないものだからしっかりとどういうものなのか考えていきたいと思う。 感覚ではなんとなく分かっているのだが、言葉にすると伝えるのが難しい。 おだやかな幸せを写真に写すには、
私は京都で店舗を持っていない、フィルムに特化した出張写真館を営んでいる。 写真館では事業理念として、「 おだやかな幸せ 」をお客さまにお届けするということを掲げている。その事業理念を基に、日々の写真撮影やその他の仕事に臨んでいる。 そうは言っても、「 おだやかな幸せ 」自体はカタチが見えないものなので、あまり想像しにくいものだと思う。 これまでの投稿で説明してきた通り、「 おだやかな幸せ 」とは、おそらく今の私自身が持ち合わせているものである。それが撮影の時に、肩肘張
前回の記事に引き続き、京都の出張写真館、田村寫眞館の事業理念である「 おだやかな幸せ 」について考えていきたいと思う。 1.前回の記事から 2.撮っている人が写る現象 3.オーナー田村のおだやかな幸せ 1.前回の記事から 前回の投稿で、「 おだやかな幸せ 」とは、肩肘張らず、背伸びをせずにありのままの状態で感じられる幸せという結論になった。 今の状態のままで幸せを感じること。 それはみんながみんなできることではないと思う。やっぱり欲があるので、「 いい風に見せたい
京都で出張写真館「 田村寫眞館(しゃしんかん) 」を始めて7年目を迎える。 そんな中、新型コロナウイルス感染症の影響で、withコロナの時代になった。コロナウイルスの影響か、はたまた写真館を知る人が少ないということなのか、6月の時点で家族写真の撮影依頼はかなり減ってきた。 これを機に、田村寫眞館の事業理念である「 おだやかな幸せ 」を届けるということについて考えてみたいと思う。 そもそも、「 おだやかな幸せ 」というのは、どういった幸せなのか。 ①おだやかな幸せは、普
先日、京のパン屋さんシリーズ、初の小冊子が完成した。 振り返れば、私はライフワークとして、2012年頃から京都のパン職人さんをフィルムカメラで撮影してきた。パン職人さんが働いている姿や、厨房の雰囲気、店頭に並ぶパンなどをパン屋さんにお願いして取材させてもらっている。 どうしてパン屋さんを取材しているのか? この問いについての答えは、「 そもそもパンが好きだったから 」 パンをよく食べ始めたのは、おそらく小学校の頃からのように思う。給食で出てくるパン。休みの子がいてパン
初歩的なミスだった。 先日、プライベートでデジタルカメラのカードを入れてくるのを忘れてしまうという出来事があった。 さぁ、撮るぞ!という時に、あるべきはずの場所にカードがささっていない。なぜだろう。そういう時に限って、撮りたい風景が目の前に現れることが多くて、何にも撮れない自分に一抹の不甲斐なさを感じることがある。 プライベートで少し気が緩んでいたということが原因なのだが、ここで何か残せないかと考えた結果、「 心のシャッター 」という技を考えついた。 心のシャッターと
(写真:食パン型からパンを取り出す滋さん) 威勢の良い音 ガシャン、ガシャン。 食パンの型から蓋を取り外した時に威勢の良い音が厨房に響く。 右手で持っているかき出し棒を、食パン型の蓋の出っ張りの部分に引っ掛けて、窯から食パンを取り出しているのは天狗堂海野製パン所三代目の海野滋さん。 左手で持っているのは古いエプロンでつくった布。食パンの型に負けないくらいの年季が入っているそれでしっかりと型を掴む。 右手で持っているかき出し棒を使って、手慣れた手つきで次から次へと
同じ分量をたくさんつくる時に使う器具 「例えば、40gのものを100個つくる時に使うと便利だよ」 と、天狗堂海野製パン所の店主海野滋さんが教えてくれた。 上皿さお秤は、同じ分量をたくさんつくる時に便利な器具である。 (写真:HOKUTOWの上皿さお秤) パン屋さんによっては、デジタル式の秤で計っているところも多く見受けられるが、天狗堂ではそのような作業をする時にこの秤を使っている。 上皿さお秤の音 私はこの上皿さお秤が好きだ。パン屋さんの厨房に置いてあるのを発見
対面販売スタイルで97年 創業当時(大正11年)からずっと対面販売を続けている天狗堂海野製パン所。 パンを買う時は、「これとこれをください」とお店の人に伝えると、パンをトングでとってくれるスタイルだ。そう伝えることによって会話が生まれるのがこのスタイルの良さである。 ただパンを買って帰るだけでなく、ちょっとしたパンについての質問を投げかけたり、おすすめを訊いたりするきっかけになる。 会話が生まれると、ここのパン屋さんではこういう人が働いていて、奥の方でこういう職人さんがつ
「あんぱん、ジャムパン、クリームパン…」という歌詞を皆さんは聴いたことがあるだろうか。その中に出てくるパンの中で、天狗堂海野製パン所で昔からつくられているのがジャムパン。 最近のパン屋さんでは、出会う機会が少ないが、懐かしいなぁーと思えるパンの一つである。 (写真:ジャムパンに切れ込みを入れる海野滋さん) お客さんからチラッと見えるようなイメージで撮影したので、店主の手元があまり見えないのだが(言い訳)、生地の分割に使うスケッパーで、ジャムパンに切れ目を入れている作業。
天狗堂海野製パン所のこしあんぱんの上には、白ゴマがかわいらしくのっている。と言っても、天狗堂に限られたことはなく、多くのパン屋さんにはあんぱんにゴマが乗っている。…どうしてあんぱんにゴマを乗せるのだろう。そんな疑問を天狗堂に聞いてみた。 理由は2つある。1つは、種類の似ているつぶあんと見分けるため。ちなみにつぶあんの上には、小柄なつぶつぶのケシの実が乗っている。 これだけでも十分に識別できるが、さらに形も違う。 こしあんの形は丸っこくて、つぶあんはややラグビーボール型になっ
現役で天狗堂海野製パン所のパンを焼いているのは、昭和58年製のパン窯。三代目店主海野滋さんの代から使い始め、今年(2019年)で約37年目になる。 ダイヤルの文字や、銀色が少しくすんだボディから風格を感じる。 じっと見ていると、温もりのある優しい顔つきをしているようにも見えるから不思議である。 この窯から1日、約300個ほどのパンが焼き上がるらしい。約40年ほど使用した機械でこれだけ量のパンを毎日焼き上げるから大したもんだ。 ちなみに天狗堂の初代は、レンガでできた窯を使っ
大正11年(1922年)4月23日に天狗堂海野製パン所は誕生したと言われている。茶色のレトロなレンガ造りの店舗が、時代を感じさせてくれる。 お店の屋根のところに、「TEN GUDO」と英語で書かれているのが、ハイカラで格好いい。そして、ローマ字のOの文字の上にある伸ばし棒は、ちょっと可愛らしい。 「この伸ばし棒は、フランス語のアクサンシルコンフレックスっていうんだよ」と知り合いの方に教えてもらった。私は、最初、「てんぐどー」という風に表記するローマ字のマクロンだと思ってい