あんぱんのゴマ
天狗堂海野製パン所のこしあんぱんの上には、白ゴマがかわいらしくのっている。と言っても、天狗堂に限られたことはなく、多くのパン屋さんにはあんぱんにゴマが乗っている。…どうしてあんぱんにゴマを乗せるのだろう。そんな疑問を天狗堂に聞いてみた。
理由は2つある。1つは、種類の似ているつぶあんと見分けるため。ちなみにつぶあんの上には、小柄なつぶつぶのケシの実が乗っている。
これだけでも十分に識別できるが、さらに形も違う。
こしあんの形は丸っこくて、つぶあんはややラグビーボール型になっている。これだけ違えば、間違うことはほぼないだろう。
つぶあんを買おうとして、こしあんが中に入っていた時の喪失感は計り知れない(逆も然りだが)
今では、当たり前のようにゴマやケシの実が乗っているけど、きっと昔のパン職人さんが考えて編み出したのかなぁと感心した。
(写真:あんぱんに白ゴマを乗せる海野滋さん)
もう1つの理由は、ゴマの香りが良いからである。口溶けがスッと滑らかなこしあんにゴマの香ばしい風味が見事に調和している。
「昔はね、パンを焼く時にのせる天板にゴマ油を塗ってたこともありますよ」
と二代目夫人の海野幸子さんが教えてくれた。
パン窯を開けたら、ゴマ油の香りがするなんて…と想像するとなんだかお腹が減ってきた。
■天狗堂海野製パン所
住所:京都府京都市中京区壬生中川町9
電話:075-841-9883
定休日:日、祝