(32) 通勤時間が爆長くなったので毎日本を一冊ずつ読むことにした
通勤時間を利用した読書記録です。今年最後! と書こうとしていたら年が明けてしまい、今年最初!になってしまった。あけましておめでとうございます。この試みは2020年5月から始めましたが、嬉しいことに年内で180冊まで読むことができました。通勤時間以外で読んだ本をさらに数えると200冊ほど年間読んだことになり、頑張ったな〜という気持ちでいっぱいです。2021年も長時間通勤が続く限り続けていこうと思います。年末年始休みがある職種ではないのでガンガン本を読んでいます。
179. アマニタ・パンセリナ
中島らもが急に読みたくなって買った。高校生のときに『今夜、すべてのバーで』を図書室で借りたら、古文の先生に「酒を飲まない年齢にらもは分からんわな」と笑われたのをよく覚えていて、酒が飲めるようになったら絶対読んでやる!!と思っていた。(ちなみにそのとき、母にそのエピソードを話したら、「それは古文の先生が正しい」と笑っていた。今のわたしもそう思う。)
内容は薬物にまつわるエッセイ。いろんなところでいろんなラリリをかましていた著者の姿が見られて面白い。ただこの人はどっぷりのジャンキーではないんだな、なぜなら「酒の人」だから。薬物と酒ってすごく近いもののように思えて、両方の依存症という話ってあんまり聞かない。領分というものがあるのだろうか。飼っているネコを薬でラリリさせる箇所はキツすぎて飛ばした。そういうことは好かない。
本人の生活や執筆活動についても多少触れられることがあるのだが、書くときは部屋にこもって錠剤をつまみながら一気に書き上げるとあって、すげーなーと思った。昔の人っぽい。今ってなんでもかんでもサスティナブルなもの・ことが流行っているけど、「滅びの美学」みたいなものってあったよね。その空気をバシバシ感じる本だった。
180. ルポ 消えた子どもたち
NHKの取材班が書いた、世間から「消されて」しまった子どもたちのエピソードを集めたルポ。保護者の都合により学校に行けなかった子どもたちって、「特殊」みたいに思われそうだけど、こうして読むとかなりありふれていそうだなぁと思った。例えば義務教育のうちの1年、親の引っ越しの都合で学校に通えなかったりするだけでも、「消えた子どもたち」に数えられてしまうのだ。でも義務教育のうちって勉強することも多いし、たしかにその1年消えてるだけでかなり本人には大きいブランクなのかもしれないけど……。長期間「消されて」しまっていた子どもたちは社会性が育っていないことが多く、人付き合いで苦労すると書いてあったのは、それはそうだろうなと思った。
181. 「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―
ずっと「これ読んだら負けだよなー」と思っていたのに読んでしまった。虐待ポルノ。この人の本は何冊か読んだけど、よく言えばポルノ的な書き方がすごくうまいと思う。『遺体』はそれがいい方向に作用していたんじゃないかな。 情景描写と主旨を絡める書き方が特徴的。 でも風俗嬢として働いていた女性の取材をするシーンで、客と嬢が舌を絡める音が聞こえるって描写必要? これはもう好みの問題だけど。虐待事件を扱うルポだと、『ルポ 虐待』などの杉山春さんが好きだな。
182. 今日はぐっすり眠りたい。
図書館で借りた。タイトルの通り、「ぐっすり眠れない」ことに対して著者がいろいろ試みたことを描くイラストエッセイ。睡眠薬を飲んでぐっすり眠れている自分としては、「メンクリ行けば解決やで!」と思ったけど、後書きに「なるべく薬に頼らない方法で」とあったので、すまん……と思った。ストレッチとか風呂に入る時間とか食事とか、無意識のうちに気をつけていることが既に書かれていて、自分に見えていない自分の中の規範って意外に多いんだなと気づいた。
183. 蜷川実花になるまで
図書館で借りた。蜷川実花の、インタビュー?自伝? 本人が喋ったのを人が書き起こした風の文体なんだけど、インタビュアーは見えるようには存在していない、不思議な本。蜷川実花が「ガールズフォト」って呼ばれていた時代のことを全く知らなくて、己の無知を恥じた。あと「女だから損することは逆手にとって得に変えていこう!」みたいなことが書いてあって、確かにその姿勢は本人が青春を過ごした時代の中で一番出世できる姿勢だったろうなと思った。今はどうなんだろうね。大フェミニスト時代だなとも思うけど、いっぽうで「リベラルは勝てない」的な空気も強いし、やっぱり「女らしい現場をあえて作ろう!」みたいな感じの方がいいんかね。知らんけど。
すごく真面目な人で、努力家な人なんだなぁと思った。個展を足掛かりに仕事を作っていく、写真集をきっかけに新しい自分をプロモートしていく姿勢にプロ根性を感じて好きになった。(こう書いてて気づいたけど、わたしはプロ根性のある人が好きなんだな。)
184. ゆるキャン△(1)
Prime readingより。女子高生がゆるくキャンプをする話。キャンプ描写がかなり細かく描かれていて、すぐにでも冬のキャンプに行きたくなる。これでキャンプをする人が増えるのも頷ける。しかし、女の子は風呂に入るときに髪の毛をハーフツインテールにはしない。へんなセクハラ描写がないのはいいところだ、胸揉んだり大きさを比較したりすると、「その女の着ぐるみの中の『男』が見えてるぞ! ちんこしまえ!」とすぐに思ってしまうので……。あんまりちんこが見えなくてよかった。
185. A3(上)
ずっと読みたいと思っていた本をKindleで買った。著者が麻原彰晃の裁判を聴講したところから始まる、オウム真理教にまつわる連載をまとめたもの。麻原彰晃が裁判中にそんなにおかしなことになっていたことをわたしは知らなかった。無知はマジで恥ずかしい。この本は確か、麻原彰晃の死刑が執行された時にnoteで無料で読めるようになっていたと思うんだけど、あの時は予備知識がなさすぎて全然良く分からなかったので、少しでも他の本を読んで知識をつけた状態で読めてよかった。にしても、この当時の世間の熱狂ぶりって本当に凄まじかったのだろうな、わたしは物心がついていない年齢だからわからないんだが……。少しでもその熱量を間近で見ていられればなぁと若干悔しく感じる。読んでいるときは冗長だな〜と思う箇所もあったが、読み終わると続きが気になる不思議な本。
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