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出産費用を踏み倒してまで産まれてきた
私は出産費用を踏み倒してまで産まれてきたらしい
私の両親は出産費用を準備できない…いや、しないまま私を出産した
小学生の頃、今日の夕飯を伝えるような軽さで実母が私に話してきた
「あんたを産んだ時に入院のお金を払ってないからねぇ」
その産院は私の友達の家の近くにあった
その事を聞いた日から【ここの病院の人に見つかると私は捕まってしまうかも】と産院の前を通る時は声を出さずに静かに通るようにしていた
産まれてくる時に“難易度はどれに設定しますか?“と聞かれた私は
まっすぐ迷いなく「インフェルノでっ!」とでも言ったんだろうか?
だとすれば、後ろどたまを全力でどついて止めたのに…
始まりからこんなんだから、まともな人生が送れるはずなんてない
負のスパイラルはつづくよ どこまでも
私はそこまでして産まれてきたくはなかった