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ドラマ「エンジェルフライト‐国際霊柩送還士‐」を見て感じた違和感

SNSで「泣ける」との感想を見たのと、「国際」霊柩送還士とのことで、世界を旅する私には人ごとじゃないと思ったので視聴したドラマ。

シーズン1とあるし、あの終わり方だし続くんだろうな。

奇しくも海外で亡くなった方、もしくは日本国内で亡くなった海外の方のご遺体を送り届けるお仕事。
元医療職なのに全く知らなかった。

1話それぞれに亡くなった方とその経緯、家族との関係性が描かれていて、言い方は悪いけど「感動もの」なんだろーな。
と思い、ちょうど控える引っ越し準備の合間に見てた。

すぐ影響を受ける私なので、号泣して「えぇ話や…」で終わるかと思いきやちょいちょい感じる違和感に、涙引っ込んだんですけど!?
ってシーンが多かった。

結局全6話、号泣はせず。
そしてラストの6話で一番モヤモヤしたので今noteを書いてます。
Xだと長くなりすぎそうだしちょっとセンシティブな気がしたから。

違和感の一つは、亡くなった当人以外が推測や思い込みでいろいろ言い過ぎ!!!
「〇〇に行かなければ…」
「止めておけばよかった…」
「可哀想に…」
みたいなの、正直大きなお世話だと思ってしまった。

もちろんただの観光ツアー中の不慮の事故、とかは悲劇の一言かもしれない。
死ぬまでの覚悟して行ってないと思うから。

でも海外で仕事するとか家族と縁を切って行くほどの思いがある人が、可哀想って泣かれて嬉しいと思うのかな。
死人に口なしだから、誰も真実は分からないけど。
勝手に推測で語られたり、不必要に身辺探られるの嫌すぎ!!と思った。

自分のやりたいことに挑戦して、たとえ達成できなくても、道半ばでも。
それって可哀想なの?

私だったら大きなお世話すぎる。
で、探ろうと勝手に日記見たりも嫌すぎる。

私はちょっと考え方が偏ってる部分あるけど、自分のプライベートなものは本当に自分だけのものであって、たとえ家族であっても勝手に見ないで欲しい。
しかも家族のために残したものでもないから、さっさと処分してほしい。
私が私のために記録していたものは、私が死んだ時点で意味がなくなるから。

ドラマのすべての話がそうだったわけではないけど、なんとなーくこんなことを考えながら見てた。
そして物語佳境の第6話。


ーーーこれ以降ネタバレありなのでご注意を!!!!ーーー

主人公とその母とのストーリー。

いわゆる毒親とその娘。
あんな綺麗事で片づけられるのは、正直感動もなかったし涙も全く出なかった。

親には親の事情。
それはわかる。
でも幼い子どもに何ができた?

親に頼らないと生きていけないのに、あの仕打ちを受けて。

「子どもを愛さない親なんていない」とかよく外野が言えたものだし、あの終わり方も納得いかない。

愛せなかった、ってはっきり言ってるし本人。

親に愛されるべくして生まれてきたのに、愛せないと言われて。
母は母で苦しんでたのかもしれないけど、子どもにはそれ関係ないのでね。

どんなに頑張っても一言すら褒めてもらえず苦しんだ娘に
最後だけは「娘に迷惑をかけたい」というバケットリスト。
調子いいこと言ってんじゃないよと思ってしまった。

苦しんだのはしんどかったと思うけど、何も悪くない娘に一切歩み寄ろうともしてなくて。
なのに謎に職場に押しかけて同僚に会ってるとか怖すぎた。

そんな親の気持ち、子どもが分かるはずありません。

主人公が外堀埋められてく感じがすごくモヤモヤした。
母親の男性関係とか聞きたくないですし。

親子関係ってそんな綺麗事だけで済む関係ばかりじゃない。
私も正直かなり苦しんでる方。
DVとか育児放棄とかもっとひどい人もいるはず。

でもなぜか「子どもを大切に思わない親はない」って決めセリフで、私達は何も言えなくなってしまう。
そんなことは分かっていて、親のありがたみだって分かってる。
それでもすれ違い、食い違い、ぶつかり合う関係性に苦しんでるんだよ。

歩み寄れるならとっくにそうしてる。

なのに最終的に「母の遺体と対面しても泣けない」と言っていた主人公が、感情を出してむせび泣くことで
「よかったねぇ」的な終わり方されてるのがもう…モヤモヤ止まらん!

悔し涙なら出るかもしれない。

なんで一言でも褒めてくれなかったの?
職場に行くくらいなら、なんで私と向き合ってくれなかったの?
そう思ってしまうかな。

いい話どころか、かなりえぐい話にまとまっていてびっくりでした。
この後半のこと言いたいがためにnote書きました。

シーズン2があれど、あの母娘の関係はあれで終わりだもんなー。
あーモヤる。
親との関係性に悩んでる人なら分かってくれるかな。

親と関係がよくないことって本当によく見られないから、表向きじゃあまり言えない。
下手に言うと「親だって…」とか「本当は…」とか「歩み寄って…」とか全く解決にならない綺麗事並べられて終わるから。
難しいなぁって思います。

でもこのドラマを見て、改めてあぁ世間の家族の固定観念ってこうなんだなぁと思い知らされた感じがしました。


と内容はともあれ、この国際霊柩送還士というお仕事は興味深く見られました。
人の死をきっかけに様々な感情がぶつかり合う狭間で、どんなに大変なことだろうと。
シーズン2も楽しみにしています。

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