タモツの日記

きのこ農家の物語。フォトグラファー。元実験動物1級技術者&元地域おこし協力隊。…

タモツの日記

きのこ農家の物語。フォトグラファー。元実験動物1級技術者&元地域おこし協力隊。趣味はドライブと料理。 不得意に負けるな! 格差社会をぶっ飛ばせ! フィクションと思ってくれると楽です。

マガジン

  • 【みんなで創る】クロサキナオの運営マガジン

    • 68,704本

    このマガジンは「楽しく、続ける」を趣旨として発信してます。まだnoteに慣れてない人は知り合いづくりと記事の共有を兼ねてぜひご参加してみてはいかがでしょう🌹 ※原則1日投稿記事は2本までとしました。ご了承ください。

  • noteのクリエイターさんたちみんなでマガジン

    • 35,246本

    【ルール】 1日にマガジン登録は最大で3回までで、宜しくお願い致します。 【コンセプト】 『楽しく生きる』『みんなで学びながら成長する』『人と人との絆を大切に』という3つの柱をコンセプトにしています。 参加したい方は、参加したいとメッセージで頂ければこちらから招待メッセージ送らせて頂きます♪♪ ※画像は変更しないようにお願い致します。

  • 共同マガジンvol2 byパト

    • 6,939本

    共同マガジン第二弾です。いいねの輪が広がれば嬉しいですね。

  • 【繋がろう】シロクロの共同運営マガジン

    • 20,090本

    【コンセプト】新しい出会い・繋がりのきっかけになったら嬉しいです︎︎👍 記事を見て貰えたら嬉しいし、スキも増えたら嬉しいそんな暖かいマガジンにしていきたいと思ってます😊 私自身もnote初心者なので一緒しnoteを楽しんでいきませんか(*・∀・)/💖\(・∀・*)

  • 共育LIBRARY×共同運営マガジン

    • 30,962本

    noteで成長したい。もっとたくさんの人に記事を見てほしい。ㅤ仲間とつながりたい。少しでもよりよい未来の為にできることを発信したい。 そんな共通の「思い」をもつ方ならば、誰しも歓迎します。 共に手を取り合い、共に成長していきましょう!

記事一覧

バスキアの絵が高い理由を知れた

アートを誤解していた。抽象的な非言語でメッセージを送る。テキストの方が伝わりやすいのに。そう思っていた。けれども違った。アートは科学だ。表現方法の探求がそこにあ…

47

フランスへ行きたくなった

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。生産物の評価はいいが、あまり儲かってはいない。『寒冷地での林内伏せ、技術と知識の必要な栽培方法、旨味の高い菌種』。…

51

僕ら凡人がnoteで『10万文字超えのエッセイ』を書く方法

どうも、タモツです。 相変わらずnoteを楽しませてもらっている。物語の方も無事に最終回『そしてタモツへ』を書くことができた。およそ6ヶ月の毎日更新であったが、その…

47

そしてタモツへ

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。前職は医療系の研究施設で働く、実験動物技術者。間に地域おこし協力隊を挟んで就農した。都会疲れからの開放と、好きな写…

57

高級ブランドを作った

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。寒冷地で、最高の品種を、正攻法で栽培している。ステータス的には日本一美味い"きのこ"だろう。考えられる要素で最高のも…

42

僕にとっての写真は

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。収穫は毎日。故に休みの日は無いのである。収穫が毎日ということは、きのこを発生させるための操作も毎日ある。日々の暮ら…

41

リセットした

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。就農して3年目。いろいろと挑戦させてもらっている。栽培も順調なので、品種も早生から旨味重視のものに切り替えた。この…

39

きのこ写真を送った

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。評判は上々。だが、あまり儲かってはいない。直売所やweb販売も行っているが、スケールが低い。黒字だが喜んではいられな…

40

十勝の冬とウサギの足跡

十勝の冬の朝は遅い。日の出時刻が7時台のときもある。おまけに寒い。マイナス二桁は日常だ。鼻から息を吸い込むと、奥の方で凍る感覚もある。吐いた白い息は、しばらくそ…

29

ミラーレスカメラを手に入れた

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。ひとりでまわしているので収穫量は少ない。けれども、就農してから1年半が過ぎた。収穫量も上がった。毎日が大変。それは…

タモツの日記
2週間前
43

直売所を作った

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。就農してから、およそ1年が経った。収穫量は右肩上がりだが、まだまだ予定している量には届いていない。また、栽培に慣れ…

タモツの日記
2週間前
38

写真展をひらいた

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。ひとりでまわしているので収穫量は少ない。つまり儲けも少ない。収穫物のほとんどは生産組合に卸している。だが、安く買い…

タモツの日記
2週間前
46

新聞に載った

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。収入は少ない。故に補助金をもらうことにした。役場へ相談しに行くと、快く引き受けてくれた。"きのこ"という品目では前例…

タモツの日記
2週間前
46

イベントに出展した

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。仕事はひとりでまわしているので収穫量は少ない。つまり儲けも少ないというわけだ。けれども、所属している生産組合への出…

タモツの日記
2週間前
44

就農した

十勝の田舎町で暮らしている。僕は地域おこし協力隊だ。任務は自身の就農研修と、所属する生産組合の活性化。任期は残り1年。この時間は僕の就農準備に使わせてもらえるこ…

タモツの日記
2週間前
45

東京へ出張した

汽車とバスを乗り継いだ。ここはとかち帯広空港。僕はここから羽田へ飛ぶ。フライト時間は1時間と45分。空路とはいえ、東京からの十勝は割と近い。新幹線で行く大阪の方が…

タモツの日記
2週間前
27

バスキアの絵が高い理由を知れた

アートを誤解していた。抽象的な非言語でメッセージを送る。テキストの方が伝わりやすいのに。そう思っていた。けれども違った。アートは科学だ。表現方法の探求がそこにある。『なにを伝えるか』ではない。重要なことは『どう表現するか』。そうとは知らずに、僕はアートを避けていた節がある。勉強不足であった。

そう考えるとアートはおもしろい。僕は書籍を1冊購入した。かなり分厚い。武器を通り越して漬物石のようだ。前

もっとみる

フランスへ行きたくなった

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。生産物の評価はいいが、あまり儲かってはいない。『寒冷地での林内伏せ、技術と知識の必要な栽培方法、旨味の高い菌種』。最高と思えるものを並べた。ステータスだけ見れば日本一美味いきのこだろう。だが、儲からないのである。品質がよくてもダメなのだ。

いろいろと挑戦はした。けれども上手くはいかなかった。そのうえで薄々だが感じていたことがある。僕はひとりだった。仲

もっとみる
僕ら凡人がnoteで『10万文字超えのエッセイ』を書く方法

僕ら凡人がnoteで『10万文字超えのエッセイ』を書く方法

どうも、タモツです。

相変わらずnoteを楽しませてもらっている。物語の方も無事に最終回『そしてタモツへ』を書くことができた。およそ6ヶ月の毎日更新であったが、その間の暮しは充実していたと思う。これもひとえに読んでくれていた皆さんのおかげだ。ありがとう。心から感謝している。

これを機に、再び1話から読んでもらいたい。時事ネタをむりやり詰めた記事や、バズを狙いにいった記事も少しあるが、基本的には

もっとみる

そしてタモツへ

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。前職は医療系の研究施設で働く、実験動物技術者。間に地域おこし協力隊を挟んで就農した。都会疲れからの開放と、好きな写真と向き合う時間がほしかったのだ。

僕のつくる生産物の評判はよかった。安さではなく、大きさでもなく、美味しさで勝負した結果だ。物語で売ったわけでもない。販売が苦手な僕にとっては最善な方法だったと思う。

そう、僕はものを売ることが苦手だ。

もっとみる

高級ブランドを作った

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。寒冷地で、最高の品種を、正攻法で栽培している。ステータス的には日本一美味い"きのこ"だろう。考えられる要素で最高のものを並べたつもりだ。

それには少なからず僕のオリジナリティも入っている。僕の前職は医療系の研究補助。微生物統御されたクリーンルームの維持管理を担当することも多かった。培養業務を任されたこともある。故に微生物の知識はある。きのこも微生物だ

もっとみる

僕にとっての写真は

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。収穫は毎日。故に休みの日は無いのである。収穫が毎日ということは、きのこを発生させるための操作も毎日ある。日々の暮らしのルーチンワークはそれだった。

とはいえ、空き時間はある。そこに季節的な作業を組み込む。春は植菌、夏は伏せ込みと天地返し。秋は間伐と冬支度があり、冬は薪を焚べたり、除雪に追われる。

年間を通して栽培ハウスから離れることはできないが、そ

もっとみる

リセットした

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。就農して3年目。いろいろと挑戦させてもらっている。栽培も順調なので、品種も早生から旨味重視のものに切り替えた。この秋から本格的にそのきのこの収穫がはじまる。

おそらく収穫量は落ちるだろう。けれども、それでいいのだ。原木栽培のきのこが美味いというわけではない。賢い消費者は分かっている気がする。”原木栽培”の名前にあやからず、最高を目指したいのである。

もっとみる

きのこ写真を送った

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。評判は上々。だが、あまり儲かってはいない。直売所やweb販売も行っているが、スケールが低い。黒字だが喜んではいられないのである。

とはいえ、就農前から取り組んでいるSNSとブログは活動を止めてしまった。やはり無理をしていた節がある。続けることが目的となり、その効果は薄れていった。マーケティングは難しい。現状維持ですら困難だ。農作業にも影響があった。更

もっとみる

十勝の冬とウサギの足跡

十勝の冬の朝は遅い。日の出時刻が7時台のときもある。おまけに寒い。マイナス二桁は日常だ。鼻から息を吸い込むと、奥の方で凍る感覚もある。吐いた白い息は、しばらくその場を漂ったりもする。

冬になるといつも思うことがある。『かんじきが欲しい』。十勝は雪が少ないと言われているが、基本的には積もる。栽培ハウスの横にある森は榾場として利用しているが、冬は除雪もしないので腰の辺りまで積もることも珍しくない。そ

もっとみる

ミラーレスカメラを手に入れた

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。ひとりでまわしているので収穫量は少ない。けれども、就農してから1年半が過ぎた。収穫量も上がった。毎日が大変。それは僕だけではない。選別と卸をやってくれている生産組合の出荷センターも悲鳴を上げていた。

毎日が忙しいみたいだ。新規の卸先の開拓なんて取り組む時間もない。とにかく捌く。すると市場への出荷も増えた。そこへ出すと儲けは二束三文。いや、儲けは出てい

もっとみる

直売所を作った

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。就農してから、およそ1年が経った。収穫量は右肩上がりだが、まだまだ予定している量には届いていない。また、栽培に慣れていないということで、取り扱う品種も早生なものにしている。

僕の栽培ハウスにおける理想の湿度は低い。故に品質はいい。日持ちもする。日曜日は生産組合の出荷センターはお休みになるが、問題はない。日曜日に出荷したものは翌日の選別となる。さすがに

もっとみる

写真展をひらいた

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。ひとりでまわしているので収穫量は少ない。つまり儲けも少ない。収穫物のほとんどは生産組合に卸している。だが、安く買いたたかれることは少ない。いつも品薄状態だからだ。値上げをしてもらいたいところだが、それは難しいらしい。けれども、僕が個人で販売することは止められていない。どちらかといえば応援もしてくれている。ありがたいことだ。

つい先日、新聞デビューも果

もっとみる

新聞に載った

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。収入は少ない。故に補助金をもらうことにした。役場へ相談しに行くと、快く引き受けてくれた。"きのこ"という品目では前例はなく、手続きは難航したみたいだが、無事に補助金を受け取ることができた。役場の方達には感謝しかないのである。

だが安心していてはいけない。補助金のもらえる期間も有限だ。いまのうちにやれることはやっておく必要がある。当初は生産組合でチーム

もっとみる

イベントに出展した

十勝の田舎町で暮らしている。僕はきのこ農家だ。仕事はひとりでまわしているので収穫量は少ない。つまり儲けも少ないというわけだ。けれども、所属している生産組合への出荷量は突出して1位。とりあえず組合の存続は安泰なのである。

正直に言うと、地域おこし協力隊のときの方が忙しかった。けれども今は土日祝日が無い。故に、相殺されて、今も忙しいと思える。そもそも忙しさの質が違う。今のそれは心地よい忙しさと言うわ

もっとみる

就農した

十勝の田舎町で暮らしている。僕は地域おこし協力隊だ。任務は自身の就農研修と、所属する生産組合の活性化。任期は残り1年。この時間は僕の就農準備に使わせてもらえることになった。

春の植菌も自身のものである。ヘルパー業務ではない。農家さんの手伝いは、もうひとりの地域おこし協力隊員が行ってくれている。ありがたいことだ。運もあった。僕は自身の就農準備に専念できるのである。

植菌は5月連休のあとに終わった

もっとみる

東京へ出張した

汽車とバスを乗り継いだ。ここはとかち帯広空港。僕はここから羽田へ飛ぶ。フライト時間は1時間と45分。空路とはいえ、東京からの十勝は割と近い。新幹線で行く大阪の方が遠いのだ。

東京は相変わらずだった。人が多い。僕は人の顔を覚えることが苦手だ。故に、すれ違う人のすべてが知り合いと思えてしまう。自然と目線も下へ向く。しかし、ここは東京。そして僕は田舎者。高層ビルに心を奪われる。下を向いている場合ではな

もっとみる