ほのぼのと心がじんわりとしたイベント
ビアンキュイという、プロのパン職人からパン作りを学べる動画講座を受講している。
小麦のパン作りはまったくもって知識も技術もないので、こうしたプロの方から直接学べる講座があるなんて、本当にありがたい世の中になった。
バゲットの成形を何度も繰り返し見ることができたり。
発酵種など踏み込んだ内容もシェフごとにそれぞれ違っていて、またそれを家庭用に起こし方や管理しやすさなど考えてくれていたり。
プロの技術そのままを見せておわりではなく、家庭でのパン作りを前提に考えて伝えてくれているところも、好感をもてるサービス。
今回、このビアンキュイのシェフと受講者の交流を目的としたイベントが開催されるということで、参加してみた。
ふだん、一人孤独な個人事業主なので、人と触れ合えるこういうイベントは密かに嬉しい。
参加して良かったことはいくつかあるけども、想定外で勉強になったなあと思ったのが、フランスのバゲットコンテストで外国人初&女性初の優勝を果たしたという、成澤芽衣さんの話が聞けたこと。
こんなすごい方が海外で活躍されていたとはつゆ知らず。
審査基準の話にも耳を疑った。詳しい内容はこんな感じ↓
40本のバゲットを長さ、重さを規定通りに焼くという。
成澤さんは本番で40本中39本は250gぴったり。1本だけ248gだったそうで、それで優勝を逃したと思った。けど、たまたま出場者全員が1本だけ250gじゃなくて、運が良かったんだ、という話でしたが。
いやいやいや、焼成後の重量で、40本全部250gで焼き上げるなんて、考えられない!!!人間わざと思えない。
しかも、使う粉も窯も本番まで分からない。粉に関しては最後まで分からないそう。見て触って嗅いで感じ取るしかない。
本番の日は気温が34度という環境だったのでそれも大変だった、と…。
いやもうほんとになんと言っていいやら。
自分のぬるさを痛感した。
フランスでのパン屋の在り方、働き方、食文化などなど、日本とは大きく違う点も多く、現地で働く人から直接聞く話はとても勉強になった。
日清製粉の人の小麦の話も、知らないことも多く、面白かった。
もう1点。参加してつくづく良かったなあと思ったのが、受講者によるパンコンテスト表彰式。
課題は食パンで、9名の方が入賞しており、審査員が実際に入賞者のパンを食べて結果発表。
入賞者の方々が、一言アピールをする場面があり、そこでのそれぞれのスピーチに心があったかくなった。
家族が笑顔になる我が家の定番のパン。
孫が美味しいと喜んでくれたパン。
地元の北海道の良さを伝えたいと願って作ったパン。
毎日仕事で疲れてるけど、趣味のパン作りで学ぶ楽しさを知り救われた。家族や職場の人に喜んでもらえたパン。
などなど、出場者みんなが、食べてくれる人の喜ぶ姿を想像しながら作っていたこと。そんな優しい思いで作られたパンは、さぞかし美味しいだろうなあと。
知識や技術をプロから学ぶことや、トレンドを把握してくことも大事だとは思うけれども、なんのために作るのかという、大事な原点を当たり前に持って取り組んでいる人たちの姿を見て、なんだかじ~~~~~~んと来るものがあった。
いい会に参加できて良かった。