「雪と薔薇」
白雪を朝になるまで眺めてた生きるか死ぬかさえも忘れて
内面の扉を閉めて生きていく砂漠に咲く花を探すんだ
この日々を塗り潰せずにただ無力それでも夜明けを迎えるのだろう
何気なくフィンブルの冬を思い出す隣り合わせの終末(おわり)を感じる
物語なき日常をただ歩む世界の果てで黄昏を見た
庭先で白い薔薇(そうび)が咲いている触れようとして指先を切る
僕はただ途方に暮れて立ちすくむ掴んだものは流れて消えた
Fragileと雪に書いてすぐ消した弱さとはかすかなまぶしさ
夜行する僕らを雨が包み込む眩しい明日は訪れるのか
名も知らぬ花々で飾り彫りをした私の心はどこへ消えたか
手に入れた砂漠の花を永遠を 詩人としての業を受け入れる
虚しいが日々は流れる無情にも壊れながらも立ち上がるのみ
指を折り罪を重ねて生きていく真冬の夜が静かに更ける
永遠を信じていない僕たちは彼岸で散った夢の群青