短歌、俳句 まとめ 2~5月(九首、二句)
【短歌/俳句】
※トークノートにあげた短歌と俳句をテキストノートにまとめました(ひと言コメント付き)。
この頃は
いつでも何か忘れ物してる気がして
振り返る昨日
(2015/5/29)
※家を出るとき、会社を出るとき、電車を降りるとき、季節がゆくとき、いつだって何か忘れている気がして、後ろを振り返ってしまいます。
これでいいのかなとあなたのとまどい
かすかな陰り瞳にやどし
(2015/5/26)
※そんな人を見ました。まわりの大人に言われた通りに行動して、でも何か「違う」と思っている。そんな表情。
山の端に遠い昔の歌落ちて
窖のよな止まり木にいる
(2015/5/25)
※実際に見たのはビルの谷間。昔の歌のような夕日が沈み、都会にある無数の窖(あなぐら)のひとつで止まり木にとまって酒を飲んでいます。
閉じた街
閉じこめられた人びとが
ひっそり閑と
背中まるめて
(2015/5/17)
※空が曇っていたのですね。駅前のカフェから見た光景がひどくひっそりと見えたのですが、あれは自分の胸のうちの景色だったのかもしれません。
日盛りに
目を伏せあるく
寂寥の
すき間をうめる
木々のざわめき
(2015/4/27)
※四月なのにもう夏のような日差しが眩しくて、まだ春に気持ちを残していたのでしょうね。少し寂しい思いが木々をゆらす風に紛れました。
悔しくて
それでも涙
こぼさずに
どこにいたって
同じ月をみてる
(2015/4/21)
※そんな心持ちの人が離れた場所にいました。あるいは遠く過日だったかもしれません。時間や距離を超えて見あげる月はいつも同じです。
くりかえし
ただ陽が昇り
陽が沈み
昨日の夢も
ただ一望の過日
(2015/4/9)
※時はあっという間に過ぎてゆきます。心浮き立つような夕べも、振り返ると歩いてきたすべての日々のほんのひとこまに過ぎない。
くちびるの淡い紅色花に似て
過ぎゆく春に追いつけずまだ
(2015/3/29)
※いまよりもだいぶ若かった頃、まだ幼さの残る彼女の口紅が薄い紅いろで、散る桜の花びらと去る彼女が惜しまれて。ああ、完全に蛇足ですね(笑)。
春の空
幾千年も
春の空
草木芽吹けよ
届けよ祈り
(2015/3/11)
※yukariさんの歌があまりに素晴らしく、勢い詠んだ返歌です。ぜひ、元の歌を味わってください。https://note.mu/yukaripurple/n/n98a9b1f69cac
まっすぐな道を進んでは立ち止まる
(2015/3/7)
※こ、これは。なぜ載せたのか、なぞです。翌朝には後悔してました。血中アルコール濃度が相当高かったのでしょう。きっとかなり深い意味があったはず、が、そのまんまにしか読めない…。
5日間の眠りが覚めて金曜の月
(2015/2/27)
※平日5曜日の偽りの日々から自分を取り戻す金曜の夜。鮮やかな月を肴に酒を飲んでいますね、彼は(笑)。掲載時に「スキ」を100個もらって(一人のひとから)とてもうれしかったのです。
さて、初めて自作にコメントしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
ではまた、次のまとめの際に、お会いしましょう。
tamito
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