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家具の固定してますか?

 本日2021年3月11日で、東日本大震災から10年が経ちました。震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、今もなお復興に向けて歩まれている方々に心を寄せたいと思います。

 未曾有の大災害から何を教訓として今後の防災に活かしていくのか。東日本大震災に限らず、また実際に災害を経験したかどうかにかかわらず、過去から学び次の備えに繋げていく必要があるのではないでしょうか。原因がわかっていることであれば事前に対策をして減災、すなわち起こり得る災害を最低限まで減らすことができる。その対策の一つとして今回は「家具の固定」を取り上げます。


もくじ
1.家具固定の重要性
2.グッズの紹介 
3.我が家の対策
4.まとめ


1.家具固定の重要性

 備えるというと備蓄ばかりに目が向いてしまいがちですが、備蓄していた物を活用する前の段階で、まずはしっかり生き延びられるようにしなければなりません。1995年の阪神淡路大震災では、死者6,434人のうち8割以上が圧死や窒息死だったといいます。なぜこの2つの死因が突出しているのか。それは、倒れてきた家具に押し潰されてしまったことと、1981年以前の旧耐震基準で造られた多くの建物が倒壊してその下敷きになってしまったことが大きな原因でした。しかも地震発生が早朝で、まだ寝ている人が多い時間帯に突然激しい揺れに見舞われたため、多くの犠牲者を出すことにつながったと考えられています。

 このことが教えてくれるのは、大きな揺れがきても物の下敷きにならないように対策をすれば犠牲者を減らせるということです。家具を固定するだけで助かる命があるのです。特に大きな家具や重たい家具の固定がまだ済んでいないという方は、これからご紹介するグッズをぜひ検討してみていただけたらと思います。

 また、ここでは詳しく触れませんが、先ほど述べたように1981年の建築基準法改正で規定された新耐震基準を満たしていない建物は大きな地震によって倒壊する危険があります。特に改正前の1981年5月以前に建てられた木造住宅にお住まいの方は、耐震補強診断や工事を行うことを強くお勧めいたします。詳しくはこちらをご覧いただくか、行政の窓口でご相談ください。


2.グッズの紹介

 ここからは家具固定グッズを紹介していきます。まずは金具を使って固定するものです。家具と壁をL字の板で繋ぎネジで止めます。壁と家具が確実に固定されるので転倒防止が期待できるグッズです。

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 上記の物は壁に穴をあけることになるので、特に賃貸の場合は難しいかもしれません。そこでネジを使わないグッズがこちら。

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 強力なシールで壁と家具を固定します。色々な大きさや種類のもの、繰り返し使えるタイプも出ていますので、ご家庭の壁紙素材に適合したものを選んでください。

 余談になりますが少し体験談を。私もこのネジなしタイプを以前使ったことがあるのですが、引っ越しで剥がさないといけない時がありました。何種類か使っていたので、簡単に剥がせたものもあれば全くびくともしないものもありました。簡単に剥がせたと言っても、もちろん手ですぐ剥がせたわけではなく、専用のリムーバーがついていたものでした。壁と固定グッズの間にヘラのようなリムーバーを挟んでしばらく置いておくと取れるというものです。全くびくともしない方は、他社のリムーバーとドライヤーで粘着部分を温めて剥がすことに成功しました。しかし、やはり完全に壁も家具も傷つけず剥がすことはできなかったので、使用する際は各自のご判断にお任せします・・・

 壁も家具も確実に無傷のまま固定するならば、お馴染みのつっぱり棒か、家具の下に敷くグッズがおすすめです。

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 このように家具の転倒防止グッズにはたくさんの種類があります。このどれか一つでも効果があるのだと思いますが、よく言われるのがこれらを2つ組み合わせて使うことでより効果的になるということです。

 また家具固定ではありませんが、例えば食器棚の扉がガラスだったり観音扉だったりすると、地震の揺れで中から食器が飛び出してきてとても危険です。そこでガラス飛散防止シートを貼ったり、扉につけるストッパーを設置するなどの対策もぜひやっておきたいところです。


3.我が家の対策

 さて、我が家での対策はというと基本的に腰の位置より高い家具は置かないようにしていますが、小さな棚の下には先ほどご紹介したふんばる君を敷いています。

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 そして、我が家で一番背の高い冷蔵庫には、壁に穴を空けないタイプの家具固定グッズを付けています。

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 食器棚は家の一部に据え付けられているため固定はしていませんが、観音扉には揺れを感知するとストッパーが引っかかるようになっています。

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 そのほかに気をつけていることは、寝室にベッド以外の家具を置かないこと。また、電子レンジやテレビも揺れを吸収するグッズで転倒対策をしています。

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 このように対策できるところからやってはいますが、そんな我が家にも課題があります。それは、新しく購入したお洒落で気に入ってる棚の対策ができていないことです。穴をあけるのも傷をつけるのもしたくない・・・背丈も腰より低いしまあいいか、という状況がかれこれ約3ヶ月続いています。これだけ家具固定の重要性を話しておきながらこのままというわけにはいきません。近々家族会議で議論しないといけなくなりそうです。


4.まとめ

 あれこれ綴ってきましたが、とにかくお伝えしたいことは「家具の固定をすれば、減災につながり助かる命が増える」ということです。今回ご紹介したグッズはほんの一部でしかありませんし価格も様々です。できることから少しずつ、ぜひご家族や職場の方とも家具の転倒防止について話し合ってみてください。


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