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絶対に2回観たくなる!境界が薄れていく汽水域のようなお笑いライブを、みんな~!見て~!という話

1月8日、M-1バブルのおかげでライブでかけるネタが阿部寛漫才ばかりになっていたラパルフェが久々にコントをする(ことが確定していた)ということで、繁忙期の仕事をめちゃくちゃフレックスして終わらせてウキウキと胸躍らせて見に行ったライブ、「みんな!みんな!みんな~!」。
タイトルとフライヤーデザインと「みんなのコントと、その五年前を描くユニットコントのライブ」というテーマを見ても、どんなライブなのかピンと来なかったですし、出演者も半分くらいは知らない組だったりしたのですが、そんなことは気にならないくらい楽しみでした。

見終わったあと、私は真っ先に思いました。
これはすごいものを見た」「早くアーカイブ配信を見たい」と。

おそらく、知識不足で推しのことしか詳しくない私の感想なので、「ちゃんとお笑いに詳しい人」「いろんなライブを見てきた人」かたしたら、そんな凄いものではなく珍しいものではないかもしれません(保険)。

それでも私が今回このライブに夢中になった理由はお笑いとしてのテクニックのすごさではないのです。そこに「愛とリスペクトがある」ことでした。


オタクの皆さんが一番ピンとくるたとえをするならば、このライブでのユニットコントは「クロスオーバーもの同人誌」みたいなやつです。例えば鬼滅の刃と呪術廻戦の世界がつながってたら面白そうじゃないですか(適当な例え)。そういうことをやっているわけです。
各組の元々の持ちネタのキャラクターが、もしも実はつながりがあったら…?という設定で描かれています。

コント師さんが自分のネタの中で共通の登場人物を出したり、共通の世界線であることをにおわせるタイプのクロスオーバーはたまにありますが、今回のミソは「ネタを書いた本人ではない人が書く」というところです。(だから例えとして同人誌を出したんです。)

私はライブを観るまで、てっきり出演者のネタが全部終わったあと最後に数分ドタバタとやるユニットコントなのかな、と思っていたわけです。
しかし実際は、ユニットコントである「五年前の世界」はライブ中に複数回にわけて描かれていて、“縦軸”となっているのです。
そして不思議なのが、ユニットコントの世界がむしろ本筋で、それぞれの組のネタが後日談スピンオフなのでは…? と一瞬錯覚しそうになるほど、それぞれのネタのキャラクターのピースがうまいことハマっているんです。
(「取り外し可能」と言われていた部分もあるにはありましたが……笑)
なるほど!そことそこがつながっているのか!ということがわかっていく体験が面白かったです。

このライブを企画している「右手でグーパンチ」こと川田さんのことはあまり存じてはなかったのですが、コントを通じてこの方の出演者へのリスペクトや愛がすごく伝わる気がしました。
このライブは学生芸人と元学生芸人だった人たちがほとんどを占めているので、昔からのつながりがあるからこそのモノだったんだと思います。
私は学生芸人界隈は推しであるラパルフェ(リレンザ)周辺くらいしか詳しくは知らないのですが、ゼンモンキーの荻野さんとゴヤのやまじさんという元コンビ(LUDOの「ザザ」)の掛け合いが多かったりなど、そういうところは学生芸人ファンには垂涎ものだっただろうなということは感じました。(心なしか御本人たちもなんだか演じてて楽しそうに見えました)
他にも「この人はもともとこういう人」という前情報がわかっているとより楽しめるのだと思います。例えば無尽蔵が本当に東大生だとわかっているとユニットコントのあのシーンが面白いとか… 私が知らないだけで他にもありそうな気がしてます。
そういったわけで(元)学生芸人界隈が好きな人におすすめです。

あまり私が各組について詳しくないのも理由としてあるのですが、言われなければ「この人まだ学生なの!?」となる組もあったり、プロとアマの境目がいい意味でわからなかったです。そして各組の持ちネタとユニットコントの境目も薄くなっていくように感じて、その混ざり合ってる感じが汽水域(川と海の境目)のようだと思いました。
汽水域がお魚さんたちにとって大事な場所であるように、プロ側からもアマ側からも、お客さん側からも演者側からも新しい発見のあるいいライブだったんじゃないかと、私は(勝手に)思ってます。

ダラダラと書いてしまいましたが、とにかく何が言いたいかというと、
アーカイブ期間が終わる前に早く見てくれ!!!』ということです。
なぜなら最後まで見ると、もう一回最初から見たくなるので。

いやあ本当にいいライブだったなぁ。
もう一度だけ見てこよう。







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青人草
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