第25走目:頭のネジを飲む
2023/10/26
4.0km
30分
言い訳をするつもりはないが、言い訳から入ろう。
私は寝る前に毎朝飲むサプリメントをお猪口に入れて用意しておく。
先週の朝サプリメントを飲んでから2時間ほどして焼けるように食道に激痛が走った。
何故だ?考えうる全ての事象を思い出す。
最近いきなり環境が変わったからか?賞味期限が1日過ぎたどら焼きを食べたからか?うっすらとある記憶の中にある引き出しを開けた時に「嗚呼!」と悲鳴に近い声をあげた。
昨日床に落ちていた小さな、小さなネジを拾った覚えがある。そしてそれを机の上にポンと置いた際「カラン」という音がしたような気がする。そしてそれを寝ぼけたままサプリメントと一緒に飲んだのではないか?
既に水を飲むのも痛い。痛みはどんどん胃の方に少しずつ下がっているような気がする。病院に行き胃洗浄とかしないといけないのではないか?と思うが物心のつかない幼児でもない大の大人が、
「ムヒヒヒ、実はネジを飲んだかもしれないんですよ」
というのはいくら厚顔無恥の私でも恥ずかし過ぎる。もう時の流れに身を任せることにした。そもそもそれだって確証は無いのだ。
水を飲むのも痛いくらいなので食欲はないが、環境が変わったことによる緊張感で気合いでなんとか業務は乗り切っている。なぜだかよく笑う職場の先輩にそれを打ち明けたら「笑えるを取り越してもはや笑えない」と言われた。なんたるおバカ。これで私は一生「頭のネジは飛んでいるが、ネジを経口接種する女」と呼ばれるに違いない。
そんなこんながあって一週間。
とにかく気合いだけで乗り切っているだけで実のところフラフラである。
21時寝である。うつ伏せで寝ると痛い。
それから一週間。人間一週間くらいまともに食わなくても死んだりはしない。顔色が悪いと言われるが「ねじを飲んだからです」とは言えない。
しかしながら、ちょっとずつ食道から順に回復の兆しが出てきたので走ることにした。とはいえフラフラなので徒歩レベルからスタートする。
4.0km。もはやウォーキングである。でもやりたいからやる。
サポーターは付けなかった。その方が重荷になると思ったからだ。
実際にワークアウトを開始すると、足の運びのラインがズレてふらつく。仕方がない。危ない時は手すりに捕まれば良い。
憧れの先輩が「しんどいなと思ったら、2kmで帰る時もありますし」と言っていたので、2kmまでは辿り着きたい。とにかく足を運ぶ。ブレがないかをとにかく鏡でチェックする。危ないと思ったら手すりに捕まる。その代わり、歩幅は大きく、股関節を大きく使うようなイメージで足を動かす。
辛くはないが、フラフラし過ぎて気が抜けない。足首がどうとか、膝がどうとか、重力がどうとかではない。単に馬力が落ちているのが原因なのは明らかである。
30分後に到着。あれ?この前まで7とか8kmで走っていたのに、4kmってwと思うとちょっと凹む。しかし、完走するだけでもえらい。すごい。と言い聞かせる。とりあえず今日はゆっくりと寝て備える。無理はしない。