見出し画像

給食は校長室で

今朝新聞に載ってた記事を見て、小学生の頃のことを思い出した。
記事は、新一年生が学校給食になじめるか(好き嫌い、食べるのが遅い)、家庭でどんな準備ができるのか、というお話。

小学校低学年の頃、私は給食を食べるのがとても遅い子どもだった。
給食のあと掃除の時間になって、机を後ろに下げるときになっても食べ終わらないような子どもだったんである。

教員側からすれば、集団行動(この場合だとみんな一斉に給食を食べ終わって掃除の時間になる)を乱す児童がいるのは困ったものだったんだろうなあと思う。
そこで(なのかどうか本当のことは知らない)、うちの小学校では「給食を食べるのが遅い児童は校長室で食べる」というしくみがあったのである。

給食の時間になると、盛り付け終わった給食のお盆を持って校長室に向かう。「普通の子ができることができないから隔離される」わけなので屈辱的だった、はずなんだが、そう感じた記憶はなく、むしろ「スペシャル感」があったような記憶がある。仲良しだった男子児童も食べるのが遅くて、一緒だったからだろうか。

それがどのくらいの期間、続いたのかは覚えていないし、もしかしたら、なんでこの子らはこんなに食べるのが遅いのかと観察するために数回だったのかもしれない。

校長先生は女性で、当時の印象としては「やさしいおばあちゃん」だったが、実際には「おばちゃん」くらいの年齢だったんだろう。

あの頃校長先生は何歳くらいだったのかしらと思い、お名前で検索してみることにした。同姓同名はいなさそうなお名前だっので見つかりやすそうだし、いざとなれば(ごく一般人の)うちの祖父の名前すら検索できる国会図書館デジタルコレクションがある。

と、まずはgoogleで探したら、全国的な規模の老人クラブのえらいひとをされていたことがわかった。そしてなんと、学校給食に関わる書籍の監修などをなさっていたこともわかった! 国会図書館デジタルコレクションで見てみても学校給食に関連する執筆や監修などを多くされている。(年齢はわからなかった)

……やっぱり給食を食べるのがのろい私たちは観察されていたのか! 研究対象だったのか! いやいや、改善策を考えてくれていたのだろうと思っておこう。

あれから幾星霜。

私は、女性と一緒に食事をするときには周囲に合わせて食べるペースをちょっと遅くしないとあっという間にひとりだけ食べ終わってしまうような、立派な大人になりましたとさ。

でも、校長先生と校長室で給食を食べていたときの様子は忘れられない記憶として残っている。

全国の給食を食べるのが遅い新一年生たちも無理せずがんばれ!

ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?