和解への道7~鮭の皮編
鮭の皮って食べます?
長いことあれは「食べないもの」というかもう「捨てるところ」といったほうが正しいけど、私にとってはいらないところでした。だって、皮だし、身じゃないし。そもそも魚の皮は食べたくないので、誰も見てなかったら鯖味噌の鯖の皮はこそげたいし、キンメの煮物の皮もこそげたいです。
「猫またぎ」という言葉がありますね。お魚好きな猫すら避けるほどまずい魚、というような意味と、あまりにもきれいに食べて骨しか残っていないので猫が寄り付かない、というような意味のふたつがあるかと思います。
皮を残したりこそげたりする私が食べたあとの魚は、「猫またぎ」ではなく「猫まっしぐら」でございましょう。
で、鮭の皮です。
あるとき、魚のおいしい居酒屋で鮭ハラス焼きを注文しました。鮭ハラス好きなんで。んでもって皮も付いてますね。まあ、いつもどおりに皮は残しつつ食べていたんです。そこを通りかかったお店のご主人が、「皮、食べないの?」と。「あ~、苦手で…」などと答えると「おいしいよ」と。う~ん、店主にそこまで言われちゃうとなあ、と思いながらも、ものはためしと食べてみました。
あれれ、おいしい。
苦手な生臭さやヌメっ感もなく、香ばしい。なんと、鮭の皮というのはこんなにおいしいものだったのか。
それ以来、鮭の皮はちゃんと食べるようになりました。
と言いたいところなんですが、カリカリによく焼けているやつ限定です。
それ以外の鮭の皮は、いまでも避けちゃいます。
というわけで、私と鮭の皮との和解は、焼き手の腕にかかっています。
鮭の皮はカリッカリのやつだけが私の人生に存在しますように。
ちなみに鶏皮は大好物です。
ではまた。
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