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彼岸拠りカタルシスつまり日記

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同調か沈黙か
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探しもの

早く起きて化粧をして服も着替え、出かける準備が終わった瞬間、今日は代休なことに気が付い…

玉響
4日前
5

パーティとチャペルの狭間で

深夜12時を回って、少しずつ夜も深まってきたテラスパーティ。スペインは22時ごろにようやく陽…

玉響
2か月前
13

誕生日には新しい香水を自分に贈る。

自分の誕生日には香水を贈ることにしている。22歳の誕生日に始めたこの習慣は、今年で5年目に…

玉響
2年前
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もう思い出せない無数の言葉を信頼するということ。

中学生の頃、最も仲の良かった女の子は、とても可愛かった。クラスで目立つ派手なタイプではな…

玉響
2年前
26

最後の苺も躊躇いなく食べるタイプです。

「春はやっぱり苺だなあ」 大粒の苺がごろごろ入った苺パフェを頬張りながら私は、最後に「み…

玉響
2年前
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いつか還る場所にも咲いていてほしい花

会ってすぐ、左手の薬指を確認した。まだ結婚してなかった。ホッとした自分がいた。 「アプリ…

玉響
2年前
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「なんのためにお前はいるんだ」

昼過ぎ、たまたま寄った街角のマクドナルド。年配の男性が、まだ未成年にも見えるバイトの店員を叱咤していた。 オーダーを間違えたのだろうか。お釣りを間違えたのだろうか。私はチーズバーガーが提供されるのを待ちながら、ヒヤヒヤとその様子を横目に見ていた。他の客もなんとなしに気にしていた。なにしろすごい剣幕の叱咤だった。 様子を伺っていてわかったのは、ミスへの叱咤ではなく、店の隅でたむろする柄の悪いグループについて、なぜ注意しないのか、という内容であった。そのグループは確かにうるさ

シュレディンガーのクリスマスケーキ

今年もクリスマスケーキの情報が溢れる季節がやってきた。 私はクリスマスケーキが大好きだ。…

玉響
3年前
29

かつて好きだった人から、唐突にLINE。

「どーもー✋元気?🍀」 びっくりして、三度見くらいした。そして、なんとも言えない気持ちの…

玉響
3年前
151

若い女子、という社会的特権について

仕事でとても落ち込むことがあった。 飲み会の席で、「〇〇さん(私の上司的なポジション)とデ…

玉響
3年前
44

複業を極めるというのは矛盾か

副業から、複業の時代へ。 そんなことを言われ始めたのは私が就活生の時。三年前くらいだろう…

玉響
3年前
48

暮らすように旅しよう

民泊王手のairbnbが、抽選12名限定で、世界のどこかで12ヶ月暮らせるキャンペーン“Live Anyw…

玉響
3年前
21

家族が死ぬのが怖い

私は家族が死ぬのが怖くて、死の予兆は今のところはないのだが、唐突に号泣してしまう時がある…

玉響
3年前
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代わりに空が、桜色でした。

私の生まれた場所でもある、近所の病院の敷地内には、数年前まで、桜の大樹がありました。毎年こぼれんばかりに桜を咲かしていたその樹は、もう跡形もなくなり、大きなコンビニエンスストアにとって代わられています。 曇った空に、くすんだ街並みに、コンクリート。全てが同化した、モノクロの写真のような街。記憶にある故郷は、特筆するところのない場所でした。しかしそんな街のなかで、一つだけ異質なものがありました。 それが、病院のコンコードの片隅にあった、一本の桜の大樹でした。 毎年、四月も終わ