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玉響
2022年5月5日 22:17
「落ち落ち死ねないよな…」IPAを啜りながら、ぽつりと同僚が言った。居酒屋の小さなテレビでは知床遊覧船報道がやっていて、例のラブレターが感傷を誘うように読み上げられていた。私は顔を顰めた。「俺が死んだら、まず家族が俺のスマホのデータを漁るもんな。あの人たちは絶対やるよ。昔から容赦ねえもん。あーあ、スマホの日記、俺が死ぬと同時に消えるように実装してくれないかなあ」この人、いつもこんな調子