いえいえ、そんなことは……
コミュニティでの自分の役割や立ち位置を、武将の家来になったつもりで妄想すると楽しいよ、というお話をさせてもらった。そのときの感想が「かっこいい」だった。
「日本史の授業が途中でよくわからなくなったんです。だから、武将ファンに憧れます。かっこいい」
いえいえ、そんなことは……
とっさの私は、そう思った。武将ファンと言えるほどの情熱も知識も持っていないように感じているから。それに、わたしが好きな歴史の時代は先史時代。文字にならない痕跡や石のやりとりが好ましい。さらに言うなら、地形や地質、化石や岩石など、人でない部分のものにときめきを感じる。だから「かっこいい」と言ってくれた、あの人からの称賛は私には当てはまらないと感じるのだ。
それでも「かっこいい」とわざわざ伝えてくれた、その気持ちはありがたい。せっかくほめてくれたその思いを受け取ろう。わざわざ伝えてくれた勇気や行動力に感謝をしよう。
誰かからほめてもらったときには「ありがとう」と。ただそれだけがいい。いえいえ、そんなことは……は封印しよう。
伝えてくれて、ありがとう。嬉しいです。