自分らしく生きる指針

今、暮らしている部屋の中は、自分の好きなものに囲まれている。

あれも、好き。これも、好き。
こちらも大切、あちらも大事。
……けれど、まだ絞り込める。身の回りの物を減らしていけそうだ。

もし、トランクケースひとつで、この部屋を出ることになったとしたら。私は何を持って出るだろう。何を思って、持ち出すものを決めていくのだろう。

持ち出したものは私の生き方を表すもの達。持ち出す基準は、私の生きる基準であるもの。自分らしく生きるための、私の指針となる。

今の私が持ちたい量は、とてもトランクケースの中に納まるものではない。自分自身で持って行ける以上のものを、所有したいという欲がある。すべてを使えているわけでも眺めているわけでもなく、所有しているだけで満足してしまうものもある。

所有のためだけに持っているものは、もう身近には置いていない。そう思っていたけれど、自分自身を見つめ直すたびに持ち物は減っていく。そして、余白ができてくる。

空間にも頭にも、余白が必要だ。余白があることで、自由度が上がる。迷う余地がなくなっていくから、集中する力がつよくなる。

今よりも、集中して。自分自身に向かいたい。
だから、私は妄想する。トランクケースひとつで家を出る自分の姿を。