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高次脳機能障害「私」のマイクロツーリズム~「達成感」を味わいたい!~

このコーナーは重度高次脳機能障害当事者(重い知的障害、ADL全般の障害、特に失語症で思うように意思表示できない)の家内(=「私」)の気持ちを、夫である私(=たまさん)が推測し、家内の視点に立ち家内の言葉で書いたものです。

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「自分でできたと実感できた」こと・・・・・・・・・。

6/22に文京学院大学(BICS主催)の地域イベントに参加。
あるゲームの罰ゲームで「人生で一番うれしかったことを教えてください」と聞かれた時の「私」のコメントだ。
思うように発語できないながらも、精一杯の声を振り絞って答えた。
それでもとなりにいた、たまさん(=わたしのだんな)にしか聞こえなかったようだが。

重い障害を負うことになって12年。
一時は「よくてハイ・イイエが言えるくらいです」と主治医にも言われた。
それが、たまさんはじめ多くの方のサポートをいただきながらなんとか生活できている。
それでもふと思うことがある。
「私の人生って、何なのだろうか」「このままでいいのかな」と。

いわゆる自己肯定感や自己効力感を感じなくなっているのは事実。
たまさん流のイージーな解釈でいうと
自己肯定感とは「これでいいのだ」。
自己効力感とは「まだまだいけるぜ」。

たまさんは言う。
「先々のことは、いまお前が考えることではない。お前は『いま ここ』のことを考えろ。『いま』が充実することができれば、その延長線上に必ず次の『充実したいま』が見えてくる。そしてそれが『安心できるいま』につながる」と。
なるほど。
たまにこの人はもっともらしいことをいう。

確かに最近、嚥下の具合が悪く咳き込むことが多くなっているが、そんな中たまさんは、特に夕食はテレビの話題をもとに話しかけてくる。食事の時間はまったく無視。とにかく会話を楽しむように。
あるいはソフトジャズのYouTubeをかけながら。
とにかく、少しでも楽しく食事できるような環境をつくろうとしている。
「私」も頑張らなくては! と思う。(当然、できる限りで)

そして、次に来るのは「達成感」だと考える。
ごくごく小さなことでもいいので、「自分でできた!」ということを実感できないかな。そんな感覚をどんどん積み重ねていきたい。
そうすれば、きっとどんどん毎日が楽しくなるはず。

冒頭の画像(うちわ)も、文京学院大学のイベントで作ったもの。
正しくいうとは、シールと位置は大方「私」が決めて、たまさんにはってもらった。
一見子どもの工作のようではあるが、自分で作ったものだ。
「私」は気に入っている。



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