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「夢」なんてなくてもいい!自分らしく生きればいいと思う。

幼稚園や学校に通っている頃から「あなたの夢はなんですか?」や「あなたは何になりたいですか?」という問いをよく投げかけられると思います。

また、社会人になっても、「あなたは仕事を通じて、何を実現したいですか?」や「あなたのミッションはなんですか?」と問いかけられることも少なくないです。

ただ、一方で、人事の仕事をしている中で、「夢って言われてもわからない・・・」や「夢を持っていないと、”良くない”って感じがするけど、夢がないので辛い」という相談もよく受けます。

「夢」なんてなくてもいい!
自分らしく生きて、死ぬときに後悔がなく、少ない人数でも自分の大切な人が死を惜しんでくれたらいいと思う。

「実現したいことってなんだろう?」と、一人の人事として考え続けましたが、「無理して持たなくても、無事に死ぬことはできる!」って思いました(笑)

昔に比べて、差別も減ったことで仕事の選択肢が増えたり、また、家庭と両立しやすくなるなど働く環境がよくなってもいます。
そのおかげで、人生の選択肢も増えました。
だからこそ、”「夢」を持った人生”という一つの選択肢にこだわるのではなく、「夢はないけど、自分にとっていい人生!」という選択肢を増やしてもいいんじゃないかなと思っています。

■キャリアの歩み方には2パターンがある

仕事だけが人生ではないのですし、プライベートも大事ですが、少し仕事に軸を置いたお話をしようと思います。

人事として「一人ひとりが少しでもイキイキ働いてほしいし、毎朝会社に来るのが楽しくなるようにしたい!」と思い、スタートアップの会社で、”強み・弱み””どういった働き方をしたいか””将来どうなりたいか”といったヒアリングを社員におこないました。

まずは、突然質問をしてもなかなか出てくるものではないので、事前にヒアリングシートを書いていただきました。その上で、一人づつ社員とお話タイムを作って、より詳しく聞いていったのですが、キャリアの作り方に大きく2パターンがあることに気が付きました。

まず1つ目が「夢」や「実現したいこと」があって、それに向かってキャリアやスキルアップをし、夢の実現を目指していく北斗七星型。

もう1つが、任せられた仕事をコツコツ行い、そこでの経験をベースにしながら、スキルを深堀りしたり、キャリアの幅を広げていく積み上げ型です。

ヒアリングを会社では比較的、ミッションやライフプランを重要視するカルチャーではありましたが、それでも全体の半分の方が後者の積み上げ型でした。

そう考えると、日本の半分以上の方は積み上げ型タイプにも関わらず、学校教育や会社の評価面談では「あなたの実現したいことはなんですか?」と問い続けているということです。
つまり、女性に対して「男性として生きるためにはどうしたらいいと思いますか?」と言うぐらい無茶振りな質問なのかもしれません。

過去の歴史の中で、人間本来の姿とは異なるにも関わらず、社会が発達していないことによって、価値観や選択肢などが矯正されていることもありました。ですが、社会が便利になり、従来であればできなかったことができるようになることで、そういった無理やり社会に合わせてきたものも、より良い姿へと変化をしていきました。

それと同じように「夢を持たない人生」という選択肢が増えていくかもしれません。

とはいえ、積み上げ型タイプの方に向けてのキャリア本やフレームワーク、研修というのはほとんど見たことがありません。
だからこそ、どうしたらいいのか?という参照情報が少なく、悩みやすくも思います。
人によってベストな方法は違うので、あくまで一つの方法・考え方ですが、ご参考程度に少しご紹介します。

■まずは、蓋をしている感情を大切に!

人生の選択肢に正解はないですが、自分らしく生きて、充実していたと自分自身が感じれるといいなぁと思います。
”自分らしく生きる”というのは、周囲に迷惑をかけながら自分勝手に生きるという意味ではなく、「自分の頭で考えて選択肢を選び、自分の足で歩んでいくこと」だともいます。また、他人に選んでもらうよりも、自分で選び歩んでいくほうが幸福度が高まるという研究結果もあります。

しかし、選ぶとしても何を選んだら、「自分らしく充実した人生」になる んだろう・・・?

「自分の感情と向き合う」ことでそのヒントを得られるのではと考えています。

積み上げ型タイプの方で、責任感が強く、できないこともできるように努力できる方がいらっしゃいますが、会社は安心してお仕事をお任せできる貴重な人材です。そういった方ほど、自分の感情をおさえて「やるべきこと」をコツコツやってしまう傾向にあります。

北斗七星型タイプの方は、前提として「夢を実現したい!」という思いがあり、「自分らしく充実した人生に向けて走るのみ!」という状態ですが、積み上げ型タイプの方は「自分にとって充実した人生を送るために大切なものは何か?」を学校教育の中でも見える化しているわけではないので、より「やるべきこと」を優先し、ご自身の感情をおざなりにしてしまいやすいです。

「会社よりもプライベートを大切にしたい」
「子供との時間を増やしたい」
「仕事よりも趣味の時間を大切にしたい」

そういった小さな感情であっても、その人にとって大切なものだったりします。
しかし、仕事や家庭に忙殺されていると埋もれてしまいやすく、場合によっては気が付かず終わってしまうことがあります。

もちろん、仕事や家庭があるため、全てが叶えられないかもしれませんが、ちゃんと見つけてあげて、もし本当に大切にしたいものであれば、コツコツと大切にできる環境を準備をしていけるようになればと思っています。

”やるべきこと”ではなく、”自分が大切にしたい人・出来事・時間”はなにか?

自分が本当に大切にしたいものを見つけて、「自分らしく充実した人生」につながるといいなぁと思います。

■どうやって感情と向き合うのか?

●まずは、主語を”自分”にする
自分の感情をすみっこに置いている方ほど、「自分がどうしたいか?どう思うか?」ではなく、「自分以外の周りの人も含めて、どうしたいか?」という思考が当たり前になっています。

以前、「やりたいことは何か?」ということを考えたいという相談を受けたことがありました。
お話を伺っていると、「娘も行きたいと言っていたので、●●に行こうと思った」など、主語がいつも「自分」ではなく、「自分以外の周りの人も含めて」という傾向がありました。
「いつも主語が”ご自身”というよりも、”周りの方を含めた主語”になっているので、周りの方のご意向は置いておいて、”ご自身がどうしたいか?どう感じているか?”と考えてみてはいかがでしょうか?」とお伝えしたところ、常に周りの方のご意向も含めて、自分のやりたいことを決めていたことに全く気づかれていらっしゃらず、驚いた表情で「それは気が付いてませんでした。やってみます!」とおっしゃられました。

このエピソードのように全く気が付かないうちに、自分の気持ちと向き合い損ねていることは少なくないんだと思います。

●日頃から「どう感じているか?」に意識を向ける
とはいえ、「では、どんな感情があるか整理をしてください!」と言っても、「へ?」ってなってしまうと思います。

「自分の感情に気がつく」という思考の習慣がないからです。

なので、1ヶ月や2ヶ月など少し期間をもうけて、「今、自分はどう感じたか?」という問いを、毎日、何度も振り返ります。
1日の間で些細なことでもいいので、起こった出来事に対して、「今、自分ってどう感じたのかな?」と問いかけます。慣れてないと、気がつくのにも少し時間がかかると思います。
「夢中になるぐらい楽しい!ワクワクしている!」という高めの感情でも見逃したりしていることも少なくないので、一度、思考を立ち止まり、丁寧に繰り返すのがおすすめです。

●それから、紙に書き出す!
それを繰り返していくと、「どんな時に楽しいと感じているのか?」「こういった時には、いつもワクワクしている!」という情報が揃ってきます。
そのまま、脳内メモのままだとぐちゃぐちゃになって、情報として使えないので、紙に書き出してみるのがやりやすいです。また、紙に書き出したときに、最初は気がついていなかった新しい感情の発見があったりします。

紙に書き出すときも「さっきこれは書いたな・・・」であったり、「これは家族に迷惑をかけてしまいそうだから・・・」などと、書くことを遠慮してしまうこともあります。ですが、ブレストのように思いついたものをつらつらと書くほうがいいです。

・やりたいこと
・やりたくないこと・・・・。
・好きなこと♪
・嫌なこと(涙)
・すっごいテンションが上がること!
・腹が立つこと!

などなど。

「やりたいこと」「好きなこと」などのポジティブ感情だけではなく、「やりたくないこと・・・・」といったネガティブ感情にも、ご自身が大切にしたいことのヒントが混ざっているので、リストアップをするのもいいです。(ストレス発散にもなったりしますw)

できれば、書き出した感情に対して、「なぜ、そう感じるのか?」という深堀りをすると、根っこのより大切な部分が見えてきやすくなります。

●おまけとして、共通点を見つけるのもよいかも。
ここまで、自分の感情と向き合うことに慣れていない方に、向き合い方の方法の一つをご紹介しました。

なぜ、自分の感情と向き合うのか?

そこには「自分の人生で欠かしたくない大切なもの」を見つけるヒントがあるからです。

よくドラマなどで「子供との時間をもっととっておけばよかった」というセリフがありますが、無意識に大切なものを見失って、そのためにリソースをさけていなかった代表例なのかもしれません。
また、自分の一回きりの人生です。
せっかくなら、全てを満たすことはできなかったとしても、一番大切なものは大事にしたいです。

リストアップした感情から、、高頻出しているものをピックアップします。また、リストアップの数は少なくても、より感情が強く動かされたものもピックアップしていきます。
そうすると共通点があり、「大切なもののヒント」が見えてきます。

自分を振り返ったり、ライフプランのことを考えることに慣れていないと、1回やっただけではうまく出てこないこともあります。
なので、同じことを何度も繰り返しやってみると、手順にも慣れてきて、1回目では気が付かなかったことや新しい発見がでてきます。

ただ、共通点や大切なものを見つけることを一人でするのは難しいので、誰かに聞いてもらったり、コーチングを利用するというのも方法かもしれませんね。


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