コロナで新卒内定先が倒産して、なんやかんやで図書館司書になった話　その１

去年の今頃（この原稿を書いているのは2021年3月22日）大学を卒業した。新卒で入社予定だった会社に、休業手当なしの雇い止めを言い渡された。

そんなことを思い出して少しエモーショナルな気分になったので、運だけでコロナ化を何とか乗りこなしてきた1年間を書き続けていこうと思う。

2020年3月20日

大学の卒業式が終わった後、新卒で内定の決まっていた会社（ホテル）から連絡があった。「皆さんの入社式は中止です」「すべての系列ホテルが休館しているため皆さんの受け入れ先がありません」「目途が立つまで採用延期です」あんまり覚えていたくない内容だったので、正確な情報ではないが自分の受け取った認識ではこんな感じの文章だった。とにかく確実に言えるのは休業手当なしって人事担当に言われたこと。
今思えばろくに就活もしていなかったし、４年生の10月くらいに焦りながら受けたホテルを運営している会社だったので、その時点から失敗していたのかもしれない。
ただ、2020年の3月～4月といえば様々な会社が新型コロナウイルスの影響を受け始めていたころで、大学の動機も研修の延期とかになっていたのであまり真剣には受け取らず、大変だな～くらいにしか思っていなかった。何なら春休みが伸びた感覚でLINEの画面を眺めていた。

3月末

会社の人事からこんな文章が届いた。「不安な状態にさせて申し訳ない。皆さんの判断で別の会社の選考を受けても構わない」
なるほど～これはやばいかもしれないな。さすがの私でもそう思うくらい内定辞退を強く勧める内容だった。
バカの私でも内定辞退をすると損をするといった知識だけはあったので、これは誰かに相談しなくては！と思い、この状況を相談できる機関を調べ始めた。
とりあえず一番初めに思いついたのはハローワーク。
家から一番近くのハローワークへ出向き、登録をしておじさん職員の前に通された。内定辞退を薦められているのだがどうしたらよいかと聞いた。
「それはもう内定辞退して次の会社探すか待つしかないね」
はっ？？　ってなった。全く自分の欲しい回答じゃなかった。
今になって考えると、ハローワークなんて自分と似たような境遇かそれ以上にひどい境遇を持っている人間大量にやってくるので、こんな相談に乗っている場合ではないのだと思う。てめぇは若いのだから勝手に次の会社探せ！って顔をしていた（被害妄想）

結局、ハローワークは私にとって何の役にも立つ場所ではなかった。

4月頭

どうやら自分と同じような状況になっている新卒が割といるらしい、
ハローワークで打ちひしがれてから、そんなニュースばかり見ていた。暇だったし。
そんな時、労働基準監督署の存在を知った。ここなら相談をちゃんと聞いてもらえるかもしれない、私は飯田橋駅を降りて決戦の地、東京労働局中央労働基準監督署に向かった。
これが、私の鉄板のエピソードトーク「社会人になってはじめってやったのは労基に行ったこと」誕生の瞬間である。
この話は死ぬほど人にしゃべった、たぶんこの話は死ぬまで人にし続ける。

労基の人に詳しく何を言われたかは覚えていないが、「休業手当は請求すれば貰える」「その会社はつぶれるから次の就職先を探せ、ただ内定辞退はするな」の二つを強く言われた。
ちなみに、なんでその会社はつぶれると断言されたかというと、「取締役が変わった」ってことを労基の人に伝えた瞬間だったので、傾きかけている会社に内定貰っている人は気をつけろよ！

ちなみに、僕の隣には泣きながら残業代が出ないと嘆いているお兄さんがいた。

4月末

労基に行った後から私は本格的に就活を再スタートさせた。就活サイトで検索をかけるときは「社会人未経験」「業界未経験」の2つにチェックを入れて毎日検索をする。ヒットするのは何を売るのか良く分からない営業の仕事とSEの仕事ばかり、いくら選り好みをしちゃいけないとわかっていても、やりたくない仕事ばかり…
そんなことをしていると、大学時代の先輩から1通のLINEが
「お前の会社倒産してるけど大丈夫？」
…いやいやいやいや
確かに倒産するとは思っていたけど、なんで俺が知らなくてあんたが知ってんねん
ってLINEを送った。
「ヤフーニュースにでてるよ」
はっ？

【○○破産申請手続きへ…コロナの影響で…】
確かこんなタイトルだったかな

会社って突然倒産するんだね
そう先輩にLINEを送った。

次の日

朝郵便受けを見に行くと、自分あてに封筒が届いていた。
裁判所からの封筒が…

2に続く