相手の思考を「補完」する癖とその攻防
A「今年は寒くなるかもね」
B「そうだねー」
みたいなやり取りがあったんですよ。
一見、別におかしなところもないし、引っかかるところもない。ただね、BさんがAさんに、ちょっと引っかかったんですよね。
なんでそう思ったんだろう?
「今年は寒くなるかもね」の理由
1:テレビでそのような予想が話されていた
2:ネット記事で見た
3:西の夕空に不吉な予兆が見え隠れしていた
4:明確な話題がないときはそれっぽい天候の話をしろとビジネス書に書いてあった
5:今日まだ10月なのにこんなに寒かったから12月になったらもっと寒くなると思った
Aさんの性格というか、これまで長らく会話してきたやり取りから、おそらく5なんです。聞くまでもなく。
(あ、今日寒いから今年は寒くなるって言うてる)
勝手に頭で補完するんですよね。
で、
(本当は今日が寒いからってだけで今年が寒くなるなんてことは予想できないと思うけどね、確かそういうの何とか言ったな…過剰な一般化、単純化…だったような、そうじゃなかったような…)
と一瞬頭によぎりつつ「そうだねー」と返すわけです。
その間0.5~1秒以内。
()内を言葉にするととても感じ悪い。そして、質問するにしても「なんで?」なんて聞いたら野暮だし、相手もいい気しないでしょう。
A「今年は寒くなるかもね」
B「なんで?」
(いや、なんでも、かんでも…。。。なんとなくそう思ったから言っただけなのに、めんどくさい奴だな…)
と、なります。
だからシンプルな日常会話においては、
「そうだねー」
が正解なんですよ。
ただ、人って敏感だから「そうだねー」までの間の0.5~1秒が、もし2秒を超えてくると(あ、こいつなんか腹に抱えてんな)と、勘ぐってしまうので、0.5~1秒を超えない範囲での返答することがまた、とても大事。
ちなみに、それが0.1~0.5秒以内での返答だと、逆に(こいつちゃんと話聞いてないパターンだな)って思われるので、それはそれでまた注意です。
自然な会話がうまい人ってのは無駄な思考を挟まず相手の求めに応ずることのできる仙人タイプか、自然に相手の意図をくみ取って適切なタイミングで応答できる賢者タイプに多いのであります。
()内を想像できない人、想像するのに過剰に時間を要する人、あるいは()内をこれ見よがしに口にしてしまう人は、これは良し悪し別にして、一般的にコミュ障と言われますね。
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ちなみに
今年は寒くなるかもね、の理由が3かもしれないと思ったらこのように聞くことができます。
「どうしたんだい?今日の夕焼けはとても奇麗だったけれど…」
そういう相手とたまに遊ぶのはとても楽しいです。
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テレカンだとこの辺の間の取り方が難しいです。また新しい間の取り方が文化として醸成して行くんだろうなって良く思う。