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創作は自意識沼からの脱出からはじまる

谷川嘉浩さんのbook camp 「つくる」ことの探究〜デザイン科の哲学者と学ぶ創作体験〜DAY1に(アーカイブ)参加した。記憶の新しいうちに振り返りをしてみたいと思う。

講義の中で印象的だったインプット


「つくる」ことはソリューション(問題解決、最適化、How)のイノベーションとビジョン(意味、文脈、Why)のイノベーションの対比で語られる。これらは根本的に違う営みである。産業界はソリューションに偏っており、生産性の向上が叫ばれている。

ロベルト・ベルガンディ「突破するデザイン」参照

意味のイノベーション(創造性)は内から外に生まれる。このときのやり方に「つくる」がある。プロトタイプを出して客観的に評価できるためである。

本の読み方のコツは、キーワードを見つけて深いところを見抜くこと。本全体でそのキーワードが果たす役割を想像する

創作ビジョン=普遍的な問いは漠然としている。ビジョンはゴールではなくスタートである。問いに答えようとしても、決して分かり切れず、終わらない問いだからこそ、創作ビジョンを持つ人は創作が持続する。


創作は自己実現ではない


「そもそも創造性って何?」に応える試みがDAY1の課題本「熟達するエキスパートたち」ということだ。

3章・4章のグラメモ

本書の感想は以前投稿したが、今回改めて考えると、わたしに重要な意味を与えてくれたキーワードは「自己実現のためだけに作品制作をしているのではない」だった。

本書曰く、美術家たちが「つくる」目的は、決して自己実現だけではない。作るうちに創作ビジョン(普遍的な問い)が明確化し、答えを出し続けようと活動する身体になるという。つまり、「自分の力を試したい」とか「皆に褒められるものを作りたい」とか、そういった邪で自己中心的な感情を創作活動の原動力にしていないのだ。

ここ数年、自分のことでいっぱいいっぱいだった。子どもを産んでもキャリアを重ねたい、管理職にもなりたい、けど残業は出来ないしメンタルしんどい。ほとんどの過去記事は自分語りなことを証拠に、希望や不満にまみれ、まわりを全く見ていなかった。まわりというのは、家族や同僚と言ったローカル世界だけではなく、生成・探求による気付き・発見(=mini-c、後述)のことだ。気付きがあれば、「次はもっとこうしたい」と次なる生成を生むのではないか。

こうして創作のループの入り口を失っていたのだと思う。本書は、自意識の世界で迷走していたわたしに、大きな張り手を食らわせた。痛かった。


とりあえずやってみること

次回の課題本「コンテキストデザイン」への系譜になるとのことのため、「創造するエキスパートたち」2章の論点もまとめてみた。

ーーー
mini-cによって、創造への熟達が進むということ。

mini-cとは、創作のプロセスで得られる知的な発見や理解、小さな気付きのことである。アイデア生成するときや作品の解釈を探索するときに得られるもので、mini-cを積み重ねると、①評価における独自の判断基準と②創作の羅針盤(創作ビジョン)が形成される。

「創造するエキスパートたち」2章ざっくり要約

mini-cを得るには、内にあるものを外に出す「外化」が必須になる。試行錯誤を続ける必要があるのだという。


DAY1受講で生まれた問い

  • mini-cの他に、創作ビジョン形成のプロセスはあるか

  • 創造と創作はどう違うか

  • 「他者からの評価」を重視してしまう場合、他者からのmini-cをどのように受け入れるべきか(自己生成されるmini-cが無視されないようにどうすべきか)

  • 生成に「飽き」が生じる場合、扱うテーマやコンセプトに限界があるということか

  • mini-cのひとつとして他者からのフィードバックを得る場はどう得られるか

  • 谷川さんの創作ビジョンはどういったものか?👀


以上、DAY1の振り返りでした。




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こちらは、本来は新規事業開発について発信しているアカウントである。「ママの孤独」をテーマに探究していたところ、谷川さんという哲学者にハマり、気が付いたら推し活をしている。

今後も学び・気づきを公開し続けるので、興味あればぜひわたしの創作の旅にお付き合いいただきたい。(フォローしてね♡)



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