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2020年3月後半の日記

 桜の季節。盛大にお花見をする習慣はないけれど、職場に向かう途中に咲いている花を見るのは好きだったな、と思い出す。それから、いつかの歌会で紀野恵さんがソメイヨシノがクローンである話を少し怖い話として楽しそうに話していたことも。

 この季節に出る桜のイメージの商品はなんだか愛おしくて、今年は桜の香りのシャンプーを買って、桜のドーナツを食べた。

 生後9か月だった子どもは、この期間に10か月の子どもになった。10か月になった途端に5歩くらい歩いて、周囲の大人は「歩いた!」と感動していたけれど、本人は「それが何か?」みたいな顔をしていた。どんな気持ちなんだろう。赤ちゃんな感じは日々薄れていく。泣いている時は、赤ちゃんみたい、と思うくらい。赤ちゃんだけど。

 保育園の準備のために服を買い足す。脱ぎ着しやすいもの、洗いやすいもの、かわいいもの。かわいいは大事。赤ちゃん向けの服のコーナーでも男女は分かれていて、男の子の服と女の子の服は色味が全然違う。本人に似合いそうなら何でもいいと思って選んでいると、「それ女の子の服でしょう?」と言われることもある。知ってる。関係なく、着こなせるんだよ。

 この期間は、4月からの保育園入所が迫っていることもあって、子どもと過ごす時間について悩んだ。朝起きて、離乳食を食べさせて、おむつ替えに着替えにお風呂に保湿に洗濯に掃除に、とかしていたら、あっという間に寝かしつける時間になる。家事に費やす短くない時間を一人で遊ばせていて、保育園に入ったら一緒にいられる時間が減るのに、今日もっと遊んであげるべきだったって思ってばかりだった。「べき思考」に陥るのはよくないし、お世話をしている時間だって本人と過ごしている時間だと思うのだけど、存在しない正解を探しているみたいだった。工夫や割り切りが必要か。

 七曜の歌会では、東京に行く辺見丹くんを送り出した。「すぐにまた会えるよ」と言いながらも、物理的な距離は確実にあるので、ちくちくとさびしい。元気でね。一緒に小男鹿を食べることができてうれしかった。

 「宮本佳林 LIVE TOUR ~Karing~」のBDが届いたので何晩かに分けて、子どもが寝てから視聴。曲の世界観を表現して目に涙を浮かべたと思えば、次の曲になった瞬間に表情を切り替えてくる凄まじさ。色んな場面を何度も巻き戻すのでなかなか進めなかった。個人の勝手な希望だけど、宮本佳林ちゃんの卒業コンサートが無観客になるのなら、卒業延期してほしいと思ってしまう。

 4月が来る。金平糖を踏むような音がする。

 

 

 

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