アボカドの謎

アボカドは難しい
彼女ほど中身のわからないやつはいない
彼女?彼?中性名詞かな

奴らはスーパーにズラリと並んでいる。
一斉にこちらを向き、「私こそが美しいわよ」とか「俺の柔らかさはこのスーパーイチだ」とか「剥きやすいわよ」とか訴えかけてくる。

私は何度かネットでアボカドの選び方をまとめているサイトをみたが、いまいち頭に入らない。

色だとか、ヘタ?が何色だとか、表面のブツブツ具合だとか。
何を基準にして選べばよいのかさっぱりだ。

一応ひととおり、並んでいる彼らを眺めて色やツヤ、形をみて美味しそうに見えるものを頼りない勘でエイヤッと選びとる。

美味しいのに当たることもあれば外れることもある。
まずいのに当たると最悪だ。
食べられたもんじゃない。あれは輪ゴムだ。

世の中の高級なスーパーにも、アボカドのハズレがあるのだろうか。
セレブたちはあのくっそまずいアボカドを口にしたことがあるのだろうか。
アボガドの謎はまた深まる。

アボカドといえは、気がついたら日本の食卓に登場するようになっていた。
いつから家庭のスタンダードになったんだらう。

初めて我が家の食卓に登場したとき、私は子どもだった。
私は食わず嫌いするのでまず恐ろしい緑の物体は食べなかった。

ちなみに今でも柿やキウイ、納豆、甘納豆、芋羊羹などは見た目が気にいらず食べていない。

ところがある時
高校生になった私はより「大人」を意識していた頃で、子ども臭い好き嫌いをしないようにと思い、一口アボカドを食べた。

あ、いける。

それからはもうばくばく食べた。
自分の手のひら返しっぷりには呆れてしまう。
お前にはプライドがないのか!って。

それからわたしはアボカドにハズレがあることを知った。
食べられるようになったアボカドをぽいと口にいれたら、
なんだれ!アボカドじゃねぇ!
というまずさが襲う。

母親も私の青ざめた様子をみて、
あ、これ堅いね。
って。

主婦歴うん十年の母親でもアボガドを正確に見極めることは難しいらしい。

実家を出て自炊するようになってからまた謎に出会う。

どうやって切るんだ?剥くのか?

Google先生がいてよかった。
でなきゃ種があることも知らずにリンゴみたいに剥いてた。

ちなみにわたしはまだ、わさび醤油とかマヨネーズあえとか、それからいしかレシピを知らない。

選び方も剥きかたも、調理のしかたも、まだまだ知ることが多さうだ。

とにかくアボガドにはまだまだ悩まされそうだ。
はかりしれないやつである。

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