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旅する土鍋2018 –生きるものとして–
2018 07/19 Bologna ボローニャ・ロイヤーノ(ボローニャ山間部)
デザインとは成形のステップにおいて使われる言葉だけではなく、モノコトの先にある何かを探すときに、そしてヒトが集まるという意味でも使われるのだろう。「旅する土鍋」は料理をつくり”おいしい”と言わせるためにあるのではない。
20年前ミラノの工房でろくろを回していたときに突然あらわれた彼女はこれから美大生になる学生だった。まさに現在の我が家の青春と同じ境遇であることは、映画のシナリオのような話だ。観光にきていた彼女は見上げるように背が高くスタイリッシュで味のある個性の持ち主だとすぐに判ったし、奇遇にも大学の後輩になるということを知ったときは大きな縁というものを感じた。
アーティストChizu Kobayashi (ボローニャ在住)
時は経ち「旅する土鍋」プロジェクトについて最初に相談したのがまさに彼女と彼女のご主人であり、そして彼女の住むボローニャの山間部に毎年顔を出している。自らがつくり出したものに満足ばかりしていても面白くない。コッチョリーノの「土鍋」が別の場所でどんな表情をみせるのだろう、どんな人を見つめ、どんな人が見つめるのだろう。過去をふりかえるなと聞くことも多いだろうが、縁という過去は噛みしめればとても美味であり、再び見直すこととは、生きるものとして新しい価値をつくりあげるのであろう。数年つづけて彼女とつくりあげた土鍋料理については、追って是非とも紹介したいと思っている。