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好き嫌い

 好き嫌いが極端に多い人はちょっと厄介な人が多い。完全なる偏見だ。どうして好き嫌いが生まれるのか、はたまた治らないのかをずっと考えている。


親が嫌いなものを無くそうとしなかったのではないか、というのがまず第1の予測である。苦手なものは「食べなくてもいい」と言われ、それを食べなくても他にも食べるものは沢山あるから十分お腹がいっぱいになり、食べられないまま大人になる。
 第2に、苦手な食べ物の美味しい料理を食べたことがないのではないか。はじめは苦手だと思っていても、ある時思い込みを上回る美味しさの料理に出会えたら食べられるようになる。これは私も十分に経験がある。子どもの頃にはまだ流通していなかったアボカドはそのオイリーさから苦手としていた。しかし、居酒屋で食べるラー油とアボカドを和えたものを食べて以来、アボカドも好きになった。
 しかし、ここに問題がある。苦手な物をどうして食べようか。嫌いな時点で手が出ないはずなので、思い込みを上回る料理に出会えるチャンスは少ないはずだ。
 そこで第3の予測。決定的に食に興味がない。私がアボカドを食べてみたのは、まぁ年上の方々と一緒の席だったこともあり「食べられません」なんて言えなかったということもあるが(あ、そうか、最近の若者はここで拒否をするんだった)、でも一見美味しそうに見えたので食べてみたのだ。要するに食いしん坊なだけなのだが、でも私の食への興味はとどまることを知らない。そんな興味のない人ならば、恐らく大人になってから克服のチャンスは少ないだろう。
 となると、やはり克服は幼いうちに、ということなのか。


 私は現在、ワサビとパクチーが食べられない。何度試しても、あの香りの強さに涙が出てくる。ただみんな美味しそうに食べるからいつも少しだけ挑戦するのだ。夫は好き嫌いが全くない。二人とも、とにかく食いしん坊である可能性は大いにあるが、それにしても一般的な食べ物で食べられないものがないことは非常に有難い。料理研究家の星澤幸子が番組中で度々口にするのが
「お母さん、とにかく少しでいいから色々な食材を食べさせて好き嫌いを減らしてくださいね。いつでも誰とでも楽しくお食事ができる人になったら本当にいいですよね。」
という切なる願いだ。これぞ食育だといつも思う。そしてワサビとパクチーをいつか食べられるようになりたいと思う。

#好き嫌い #食育

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