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言われて嬉しかった言葉

   
 「言われて嬉しい言葉」は大抵、誉め言葉だ。「一緒にいると楽しい」とか「会えてよかった」とか。教師をしている時は「○○先生の授業は分かりやすい」とか「○○先生にみたいな教師になりたい」と言ってくれる生徒がいて、明日への励みになっていたのは事実だ。
 本当に嬉しくて落ち込んだ時は特に励みになる言葉だけれども、これらの言葉をいつも大切に心の片隅に置いておくのはやや気が引ける。誉め言葉の数々を頑張りの糧にするのはなんだか傲慢な気がしてしまうのは私だけであろうか。


 ところが、先日、いつもの通り親友とLINEでくだらない話からそろそろ病気に気をつけなくちゃいけない年になってきたねという話になり、私が主婦になってから健康診断らしいことは何もしていないと話すと、ちゃんと検査はしなくちゃだめよと言ってくれ、


「一緒に長生きしようね」


と返信が来た。「一緒に長生きしようね」何度も書きたくなるほど、心温まる優しい言葉だ。こんなに嬉しい言葉は今までかけられたことがない気がする。
 相手を思いやる気持ちだけでなく、「一緒に」と自分も大切にする思いが含まれるこの言葉は、その後も私の心を温めてくれる。
 いつも私のことを心配してくれるが、自分のことは後回しになりがちな不器用な親友の真の温かさに心から感謝している。

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