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季節の変わり目は『休養学』で乗り切れるのか?!

10月の頭に8連休を取り、多少遊んだりはしたけど十分に体を休めることができた・・・と思っていた。
しかし、2日も持たずにヘロヘロ。というか連休の反動か、1日だけの休みで数日分の疲労は回復できず、何か方法がないかを頭を抱えていた。
そんな中、書店で気になる本のタイトルを発見。
その名も『あなたを疲れから救う休養学』。
一般社団法人・日本リカバリー協会代表理事の片野秀樹さんが著者。
この本の内容にざっと触れつつ、実践できるものをやってみた。


休みの日数が多い割に疲れが取れないと感じている人が多い

まさに私がこれ。
世界(OECD調査)的にみても日本は労働時間の平均が短く、睡眠時間は長い方らしい。けれど、「疲れていますか?」と言った質問に「はい」と答える割合が極めて高いそうだ。
揚げ足をとってしまいかねないが、「●●ですか?」と聞かれるとよほど見当違いでない限り「はい」と言ってしまう人は多いような気もするけど・・・。

著者に言わせると休養=疲れたら寝れば良い・何もしなければ良いというわけではないとのこと。
昔は肉体を動かすことが多かったからこの考え方で問題なかったけど、今は頭脳を動かす時間が長く、疲れ方の質が変わっている。体は疲れていないのに頭”だけ”が疲れることで結果的に肉体にも疲れが残ってしまっているそう。
だから休養の方法をアップデートさせようね、アスリート同様「必ず」「一定期間」休養を取ろうねという前置きから始まっている。
わかりきっていることを羅列されているような気がするけど、数字や言葉で表現されることがなかったから素直に受け入れることができた。


疲労の正体に迫る

その後に続く章は、休養の対義語・疲労について聞き馴染みがあったりなかったりする言葉を紐解き、疲労の正体をスッキリ言語化してくれている。
「手っ取り早く休養について知りたい!」と思って読んでいる読者が多いと思うので(私もそのうちの1人だった)、この章が鬱陶しく感じてしまう時間も正直あった。
けれどよく考えたら正体がわからないものに対して、ただがむしゃらに立ち向かうよりも相手を理解するところから始めないと意味はないよな、と終盤に納得。

印象に残った文章は『疲労感はマスキングすることができる
疲労は発熱・痛み同様に体からの警告。
発熱や痛みは分かりやすく現れるのに対し、疲労はいつまでも誤魔化すことができてしまう。その警告を無視すると、燃え尽き症候群になり、もっと回復に時間がかかってしまう・・・という疲労の怖さならびに休養の大切さを一言で表していて肝が冷えた。


活動→疲労→休養のサイクルの当たり前を見直す

疲労について理解を深めた後に出てくる最初の言葉がこれ。
仕事や勉強などをする(活動)→疲れる(疲労)→休む(休養)が間違っていると訴えている。
え、じゃあどうするの?ということで提案されているのが
活動→疲労→休養→活力のサイクル。
活力とは、あえて自分で決めた負荷をかけることを指している。

活力につながりやすい休養の7タイプが述べられていた。
休息:活動を一旦停止して、エネルギーの消費を抑制しながら回復を待つ
例)睡眠、休憩、ゴロゴロ

運動:血液の流れを良くして細胞の1つ1つに酸素と栄養を運ぶことで、疲労感の軽減に繋げる
例)ウォーキング、ヨガ、ストレッチ

栄養:バランスの取れた食事+食べ過ぎない
例)断食・ファスティング、体を白湯で温める、胃腸に優しい食事を心がける

親交:誰かと言葉を交わすことでストレス解消をする
例)ペット(AI内蔵のぬいぐるみやロボットでも可)と触れ合う、自然に触れる、あいさつ・ハグ

娯楽:趣味嗜好を追及する
例)推し活、映画鑑賞、習い事

造形・創造:1つのことに集中して疲労を忘れる
例)DIY、瞑想、時刻表や地図を見て空想する、絵を描く

転換:周りの環境を変える
例)部屋の模様替え、旅行、外食、洋服を着替える

これらを1つではなく、複数組み合わせることで効果がより高くなることが期待されるそうだ。
イメージしている休養は休息だけだったけど、確かにこれだけでは疲労回復している感じはしないので、確かに!と気付かされた。


そのあと、この本の最終章として睡眠の話にシフトする。
なんとなく聞いたことがある睡眠のあれこれを著者が丁寧に紐解いてくれているので必見。

この章で1番印象に残ったことを羅列すると
・疲労感をレコーディングする
・休むときはしっかり休む
・疲労で休むのは仮病ではない


初心に返り、実践してみた

普段なら、私は本を読んで感想や印象に残った文章をまとめて「さあ、実践しよう!」とか言いながら結局何もせずに終わることが多い。
しかし、この本は劇的な発見が少ない代わりに、「今すぐやってみよう!」と思える簡単そうなことが羅列されている。
この中で適当に組み合わせて休養になっているかも?!と感じた私なりのリストを挙げてみる。

・音楽を聴きながら軽い筋トレをする
・友人と会って推しの話をする
・目一杯ゴロゴロしたら着替える

今まで↑をやっていなかったわけではないけど、休養学に基づいた行動だとわかった瞬間、疲労感が軽減されているような感覚を覚えた。
知識を入れ込むことで脳に直接「これが休養だ!」と言い聞かせることができたのかなと思う。
本書で例に挙げられていたゴロゴロする・軽めの断食(12時間以上何も食べない)だけならよくやっていたせいもあって単体ではあまり疲労感の軽減には繋がらないことを実感できた。
ゴロゴロすると着替えも怠る私は、着替えるだけでも結構変わるような感覚を受けた。

これは休養?、と思われるような行動が休養になりうるんだ!と新鮮に映るので、難しくない本ではあるし気になった方は1度読んでみることをおすすめしたい。


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