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#超短編小説
さすらいのノマドウォーカー①
結局、駅前の珈琲専門のチェーン店に落ち着いた。
仕事場を探して30分彷徨ったが、運命の出会いを果たせず、改札を出た際に担保していた格安フランチャイズまで戻ったのだ。
体力的にはまだ余裕があったが、なかなかアイデアが浮かばなかった冒頭部分を思いついた。忘却の彼方へ流れてしまう前に、デバイスメモリに残しておきたかった。軽い運動をすると脳が活性化されるというのは紛れもない事実のようだ。アイデアはとめ
さすらいのノマドウォーカー②
暑い…
手続きが思いのほか早く終わったことで自分らしくない冒険心が湧き、軽い気持ちで従ったせいで、今、灼熱地獄を味わっている。
30分前に戻りたい。
暦の上では夏はまだウォーミングアップしている段階のはずなのだが。フライングしてしまったらしい。
陸上競技なら1回まで許されるはずだ。スタートラインまで戻り、待機するがいい。
いや、近年、即失格に変更されたのだったか。世界記録保持者が失格にな
さすらいのノマドウォーカー③
好きな言葉は平常心、通常営業、いつも通り。
そんな自分の食指を動かしたのはドーナツ屋。
お菓子を食事の変わりにしてはいけませんという両親の教育は、社会人になって一人暮らしを始めても如何なく効力を発揮している。
食生活の欧米化が進んだ昨今でも常識から大きく外れないが、たまにならいいんじゃない?というくらいには戒めは緩んでいる。
とはいえ。
いつから日本人はこんなにドーナツ好きになったのか。