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え?脳の成長はいくつになっても右肩上がり! 加藤俊徳著『一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方』(サンマーク出版)を読む:ハチドリ

こんにちは、note担当のAMです。
今回は、ハチドリさんによる、最近読んだ本にまつわる随筆と感想です。


 「脳科学」という言葉があり、その業界の人の本をよく読む。タイトルに「脳」とか「頭」という言葉があると私は反応してしまうようだ。茂木健一郎さん、林成之さん、築山節さん、中野信子さん、加藤俊徳さん、養老孟司さん等々。 

 私の場合、読書の契機は大方は新聞である。新聞広告や書評に触発されて、本屋へ足を運ぶ。本棚サーフィンをして本を手にとることも多いが、新聞広告を見て、買おうと思って本屋へ出かけることが主流である。そういう日は時短のため、検索コーナーで調べて、配架してある書棚を探す。

 加藤俊徳先生の『一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方』を買った時もそのパターンであった。新聞広告を切り取って財布に突っ込み、本屋へお出かけし、検索コーナーで書棚情報を手に入れて、その書架を探す。しかし、何故か、なかなか見つからない。
 意を決して店員に聞くと、「こちらです」と案内されたのは、入口の売れ筋本をたくさん平積みしてあるコーナーであった。店員曰く「よく売れているんです」。
 売れているので、売れ筋本を目立つ場所に移動したということのようだ。ぼんくらな私はそこに気づかず検索コーナーへ直行したということか。売れているということは、私と同じように以下に述べるこの本のキャッチコピーに触発された人が、この街だけでも多かったということになる。

 本屋は他のショップと違って店員がまとわりついてこないのがいい。洋服屋とかで店員に寄って来られて、いろいろ聞かれるのが超苦手である。必要ならこちらから呼びに行きますと言いたくなる。その点、本屋はかまわないでくれるのでありがたい。最近は、その本屋さんでもセルフレジがある。

 さて、本題の加藤先生の本であるが、手にとると、この本の表紙や帯をはじめ、作りが刺激的であった。本の題名は上部に小さく載っているのみで、コピーに類する「えっいつまで学生時代と同じ勉強法やってんの?」「脳の仕組み変わったんですけど」という吹き出しが表紙を占領していて、「学びたい人必読、大人には大人の勉強法がある」。というパッケージになっているのである。
 随所に4コマ漫画やLINEのトーク画面を模した会話形式での要点整理を配置してある。また、段落ごとに1行空きにしているし、中心文にはアンダーラインや太字の強調が入っているので、文字がつまっていて読む気が失せるということがない。現代の読者に配慮した視覚的な本づくりで、読みやすいなという印象である。
 加藤先生からの第一声は「この本は、学び直したいと思っている大人にとっての希望の書です」。とある。若いころと違って、勉強が頭に入ってこない。記憶力が薄れたと思っている中高年に向けて、「それは加齢による脳の老化が原因ではありません。脳の成長はいくつになっても右肩上がり」。とのうれしいお言葉とともに、大人の脳に効く勉強法や習慣術といったノウハウが載っていて、大人の脳の取り扱い説明書となっている。

 全体を通して、つまりは8つの脳番地のそれぞれの特性を理解して、ルーティンに風穴を開けなさいということのようである。

 「脳ちゃん」は、「やればできる子、怠け者、ラクなやり方を探すのが得意、ご褒美大好き、締め切りがあるほうがやる気が出るタイプ、正直者、すぐ影響を受ける(洗脳されやすい)、褒められると伸びるタイプ、飽き性、好きなことには研究熱心、要領がいい」(p.41図)という性格であるらしい。

 ここから導きだされるノウハウとして、「部屋の模様替えをしたり、通勤ルートを変えるなどいつもの風景に変化をもたらすようにする(p.67)。頭が働かない時は身体を動かす(p.76)。エピソード記憶のように、感情を動かし、勉強に感情を伴うようにして、ワクワクした感情や好きなモノ、コトをセット化して勉強する(p.113)。復習することがカギ。(p.120)。アウトプットを意識しながらインプットし、そこで考えたことをノートなどに書き出して、誰かに説明するように話す(p.171)。音読など聴覚を働かせるが重要。(p.184)。デッドライン(締め切り)を決めておく(p.203)。飽きっぽい脳のために視点を変える(p.209)。憧れの人の真似をする(p210)。朝の短時間勉強(p.215)。出勤時間を変える(p.229)。利き手でない方の手を使うようにして、歯磨き、掃き掃除、お風呂で体を洗うなどする(p.232)。」といったことが紹介されている。

 このような本でいつも気になるのは、著者自身が本当にどのようなことを実践しているのか、打ち明け話が聞きたいなということです。加藤先生自身が脳のために日ごろ実践していると吐露しているところは、
1,「脳の連続性を維持していく上で、私が実践しているのは、常に勉強した内容をまとめたノートを持ち歩くことです。私はこれを復習ノートと呼び、隙あらば見るようにしています」(p.155)。 毎日のマルチタスクの日常の中に勉強に関する糸を細くても維持していくことが重要だという指摘です。
2,「英語の論文を書く時には、その1,2週間ほど前から‟脳シフト”を意識した脳の準備体操を始めます」(p.159)。これも脳の連続性という特性を生かした対策。
3,「運動の中で私がおすすめするのは、ウォーキングです。毎朝1時間歩くことを習慣にしています」(p.195)。運動しないと頭が悪くなってしまうそうです。
 ところで、私には2の場面はないので、1と3を早速真似しようと思った次第である。