症状が出だしたころ。【食道アカラシアと診断されるまで (2)】
今日は、食道アカラシアを発症したころのお話を。
※今日のnote、食事中の方には汚い表現があるのでおすすめしません。
はじめて感じた違和感は、「炭酸水の飲み込みづらさ」でした。確か2016年の2月ごろ。お風呂上がりに飲もうとした炭酸水が食道内にとどまって、上にも下にも行ってくれず。胸がぎゅーっと苦しくなって、けっこう痛い。あれ? なんだ? なぜかお風呂上がりにだけ同様の症状が何度か続いたものの、「炭酸が苦手になってきたのかな?」ぐらいで、あまり気には留めませんでした。
「最初の一口」のときだけ、そんな痛みがあるものの、一度胃に降りていってくれればそのあとは特に問題はなく。でも、だんだん水でも同じ症状が出てくるようになりました。
「なんだろう、仕事が落ち着いたら病院でも行こうかなあ」とは思いつつ、仕事にかまけて数ヶ月放置。このころフリーランスになってちょうど丸2年。土日関係なく、徹夜もお構いなしで働いていたので、まあちょっとぐらい何かしらカラダの不調も出るだろう、ぐらいの心構えだったのです。われながら、ひどい。
当時36歳。まだまだワカモノ気分で、自分の体力を過信していました。
いよいよ睡眠不足を削りに削ったツケが来たのか、当然といえば当然なのか、数ヶ月後、いよいよ貧血(過労?)でぶっ倒れ、ようやく病院に行くことに。
ちなみに、会社員時代は会社近くにかかりつけ医がありましたが、フリーランスになってからの2年間、自宅近くの病院にかかったことはありませんでした。どの病院に行けばいいのかもよく分からず、とりあえず家から一番近い病院にふらふらとたどり着きました。
まぶたの裏が真っ白で完全な貧血状態。鉄材を処方してもらいました。
このとき、病院で「水分の飲み込みづらさ」についても相談しました。「飲み込むときに、のどにつまって痛いのです」と。
でも返ってきた答えは、
「固形物が飲み込みづらくなる病気はありますが、水分の飲み込みづらさは気のせいですよ」。
いやいや気のせいって言われても、実際飲み込めなくて、めっちゃ痛いんですけど((1)にも書きましたが、「水分の飲み込みづらさ」は、アカラシアの代表的な症状です)。
ただ、当時のわが身を振り返れば、何かしらのガタが来て当然、という反省もありまくりなころです。しかも、調べてみると貧血の症状の一つに「モノの飲み込みづらさ」があったので、ああ、とりあえず貧血を改善すればいいのか、と考えたのです。
とにかく健康になろう。1ヶ月休業することを決めました。
たんぱく質と野菜をたくさんとることを意識して、食生活は規則正しく。
フルーツとヨーグルトぐらいだった朝食は、しっかり食べるように。
その分、夕食は量を控え、お酒も控え、睡眠をしっかりとるように。
貧血改善や日常生活について医師からのアドバイスは何もありませんでしたが、『血流がすべてを解決する』(著:堀江昭佳/サンマーク出版)や、その後発売された『「食事」を知っているだけで人生を大きく守れる』(著:細川モモ/ダイヤモンド社)を読んで実践したおかげで、日に日に健康になっていく実感がありました。
1カ月たつころには貧血の症状はだいぶ改善し、無事仕事に復帰。ところが、飲み込みづらさだけが徐々に悪化してきてしまい、水分だけでなく、固形物も食道に停滞するように。下(胃)に降りていってくれないものは、そのまま上(口)から出てきます。つまり、ゲロ。
胃に落ちていない=胃酸の味はしないので、食べたときのままのおいしい味で、そのまま戻ってくるのです。不思議なことに、一度上に戻ってきてしまったものは、水分と一緒に飲み込もうが何をしようが、もう絶対下には落ちていってくれません。上から出すしかないのです。
初期は逆流するたびにトイレに行っていましたが、戻す回数は徐々に増え、ひどいときは食事中、数分に一度はトイレに駆け込むように。もう水道代は怖いわ、時間がとられすぎて仕事もできないわ……。
そこで、小瓶や上部を切り取ったペットボトル、通称「ゲロポッツ」(汚くて本当にすいません)を常に近くにおいて置くようになりました。
いま思い返せば、なぜこの状態で再び病院に行かなかったのか不思議で仕方ないのですが、再び仕事にかまけていたこともあって、単純に「やっぱり貧血の影響かなぁ」とか「運動不足か仕事のプレッシャーか、その両方か」などと考えていたのです。
おそらく、私がフリーランスの在宅勤務でなければ、この時点で日常生活に差しさわりがありすぎるので、もっとちゃんと対応も取ったのだろうな、と今では深く反省しています。
体重も徐々に減り始めていましたが、まだまだ「規則正しい食生活のおかげで、ダイエットできている」ぐらいに、当時は考えていたような気がします。
続く。
※ちなみに私は、変な病気になってしまっても完全に自業自得な生活を送っていましたが、運動をよくする方やお酒を飲まない方でもアカラシアを発症することはあるそうです(発症原因は完全に不明)。アカラシアになった方々が、決してみなさん私のように自業自得な生活を送っていたわけではありません。
※当記事は実体験に基づきますが、医学的な記述に関しては専門家ではありません。正確な記述ではないかもしれないこと、ご容赦ください。