宮城・仙台のハラール食事情　＊S2.43

宮城県では2016年から、ハラール対応食普及促進事業を行っている。
これは、”ハラール食を必要とするムスリムや、野菜食を中心とするベジタリアン、ヴィーガンなど、多様な食習慣をお持ちの方に対するおもてなし対応の普及・促進を図る”ことを目的としたもの。

ハラールとは

そもそも、ハラールとは？
ハラール(HALAL)は、イスラム法で「許されている」を意味するアラビア語。
※非合法なものは、ハラームというらしい。

昨年秋から、ムスリムの人たちと一緒に働くことになった私。
今まで知らなかったことを、いろいろ学ぶ機会にもなっている。

ハラールなもの
・野菜、果物、魚、卵、牛乳
・宗教のルールに従って処理された動物の肉

ハラームなもの
・豚
・犬
・血液
・酒
・死んだ動物の肉
・かぎ爪のある動物
・宗教のルールに従って処理されていない動物の肉

ハラームなものに触れたものはNG。
※もし食器や調理器具などに触れてしまったら、捨てるか、きちんと浄化するまで使えない。

だから、日本に来てからの飲食店探しは大変だと言っていた。
結局自分で作るか、知り合いのお店に行くかになるらしい。
ハラール対応かが分からないから、チャレンジしたくても怖くてできないと言っていた。

仙台のハラール食事情

ハラール対応食普及促進事業のおかげか、ここ数年で特に仙台ではハラール対応の飲食店が増えたように感じる。
仙台市青葉区八幡には、イスラム教徒の礼拝のためのモスクがある。
そして東北大学のキャンパスもあり、ムスリムの学生も多く在籍している。
そんなことも関係しているのか、このエリアにはハラール対応のスーパーや飲食店が点在している。

そしてハラール対応食普及への取り組みもあって、宮城県の観光地などでもハラール対応の食をいただけるようになっている。
パンフレットもあって、まとめられている。(下記リンク)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/15887/muslim2021.pdf

ハラール食はどんなものなのか知りたいという人は、こういったエリアにあるハラールショップや飲食店に行ってみることをお勧めしたい。

ただ、まずはどんなものなのか、食材を見てみたいという人には、
業務スーパー一番町店、もしくはカルディが気軽に足を運びやすいかと思う。
そこでハラール(حلال)のマークがついていれば、それはハラール対応の食材ということ。

見えることの安心感

出汁文化の日本。
明らかに野菜しか使っていないように見えても、実は肉の出汁を使ってます。なんてことも多々ある。
ベジタリアンやビーガンの方をガイドする時には、頭を悩ませたものだ。
どこかの情報で書いててくれたら…！と何度思ったことか。

ハラール食を求める人たちも同じなのだ。
見た目はハラールでも、同じ調理器具でハラームなものを作っていたら、それはハラールではなくなる。
だから、何かしらの形で「ハラールであること」が見えると、安心して利用できる。

宮城県が行っている事業は、この「見える化」を強化することの意味合いでもとても助けになっていると思う。

もうすぐラマダン

イスラム教の五行のひとつでもある、ラマダン。
ラマダーンともいうらしいが、これは「熱い月」という意味で、ヒジュラ暦の第9月のことをいうらしい。

ヒジュラ暦で9月を意味するラマダーンに、コーランが預言者ムハンマドに啓示され、イスラム教徒にとって、ラマダンは「聖なる月」となった。

この月において、ムスリムは日の出から日没にかけて、一切の飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育むことを重視する。また親族や友人らと共に苦しい体験を分かち合うことで、ムスリム同士の連帯感は強まり、多くの寄付（ザカート）や施し（イフタール）が行われる[3]。

断食中は、飲食を断つだけではなく、喧嘩や悪口や闘争などの忌避されるべきことや、喫煙や性交渉などの欲も断つことにより、自身を清めてイスラム教の信仰心を強める。

Wikipedia より

ヒジュラ暦によると、1年は354日らしい。そのため、ラマダンの時期も11日ずつずれる。
今年(2022年)は、4月1日夕方から4月30日の夕方までとあった。

ラマダンを実施するのは、信徒だけでなく、信徒の友人や知人なども自由に参加OK。
そして、具合が悪い時や女性の生理期間などは断食する必要はないと明記してある。
厳しいようで優しさも垣間見える。
不必要なほどに無理はしなくていいと言われると、なんだか気が楽になる。

ということで、私も信徒ではないけれど、こんな機会はめったにないだろうからやってみようかしら。と思っている。

そして学んだことは、アウトプットしていこう。