屋久島へ その1 丸一日かけて縄文杉に会いに
屋久島へ行くことに!
昨年から少しハードな山歩きを共にしているAさんからのお誘い
これはもう行くしかないでしょう
だってとっても行きたかった場所の一つなのですから
屋久島といえば神秘の島
一度は行きたい場所
樹齢数千年といわれる縄文杉に会える!
さてさてどんな旅になるのかとっても楽しみ
天気予報とにらめっこ
屋久島といえば「ひと月に35日も雨が降る」といわれるほど雨が多い。今回は7月上旬に出発する予定。屋久島の梅雨明けを見越して決めた日程だった。
しかし、今年は沖縄の梅雨明けした6月末から梅雨前線が北上し九州地方に停滞、九州は大雨が続いていた。7月に入ってから屋久島地方の天気予報を3種類くらい見比べてにらめっこ。屋久島入りするその日はギリギリ曇り雨マーク。
そして羽田から鹿児島へ。鹿児島空港で小型プロベラ機に乗り換えたところ、屋久島現地の天候次第によっては鹿児島へ引き返すこともあるとのアナウンス。まぁそうなったらそうなったでと覚悟していたら、白く煙った屋久島空港へ無事着陸した。
さてレンタカーでホテルへ向かう途中で定食・パスタのかたぎりさんというお店でトビウオのひつまぶし定食とトビウオのパスタを頂く。屋久島はトビウオの名産地でもある。ここのお店のトビウオ料理は評判が良い。とても美味しかった!ひつまぶしはお出汁をかけてお茶漬けにして、トビウオのパスタも美味。
天気はわっーと雨が降ったかと思うと太陽がのぞいたりとまさに気まぐれな感じ。
ホテル到着後届いた翌日の縄文杉ツアーの連絡は、翌朝4時半にホテルに迎えに来てくれることにはなっているが、天気予報が雨のため、ガイドの判断で引き返す場合もありときた。なんとこの1週間、縄文杉への登山口に向かうバスが、大雨の影響で運休していたことを知ったのもこのとき。これはもしかして明日もダメかも?そうした場合の予定組み直しも考えなければ、と思いつつ、大丈夫そうな天気予報もあったりと、気持ちも揺れ動く。が、ホテルで夕飯を食べ終わったころ外は雨が降り出し土砂降りになっている。
ええい、ままよ!とにかく寝て明日に備えよう
こうして眠りにつく時刻には外は雷が鳴り響き、窓に雨が叩きつける音がしているものだから、この雨は止むんだろうかと気になって仕方ない。でも強烈な眠気に襲われて目覚ましが3時半を告げるまで寝てしまった。
あ、星と月が出ている!これは
まだ暗い早朝にホテルの外に出て空を見上げると、明るい月と星と雲の切れ間が見えた!これは大丈夫と確信。
前日まで1週間バスが運行されていなかったのと、昨日の土砂降りと、さすがにこれはどうかな?と思っていたが、予報の良い天気予報を信じてなんとかなるかも、と心のどこかで期待していた。そしてこの空を見たら本当に幸先が良い旅になりそうな予感。
いざ縄文杉へ
縄文杉と聞くとどんな景色が思い浮かぶだろう?
神々しいまでにずっしりした幹、曲がりくねった枝に生い茂る葉、そこに差し込む光。写真で見た景色をこの目で見たい。そのためにここまで来たのだ。
往復10時間近くの行程、丸一日かけて会いにいく縄文杉。5月に登った丹沢の塔ノ岳よりはキツくない、という縄文杉を見に行った知り合いの人の言葉を信じて。
大丈夫、会いに行ける。
ガイドさんと一緒に荒川登山口を朝6時にスタート。
縄文杉に行くまではトロッコ道を3時間くらい歩き、その先3時間くらい山道を歩く。途中途中に休憩を挟みながらゆっくりとしたペースで行くので縄文杉まで6時間くらいかかる。
道中は素晴らしい景色がたくさんあった。屋久杉の古い切り株や苔むした大木のうろ、光が差し込んで光る雫。かつて林業に従事していた人たちが住んでいた集落跡がこんな山奥にあるなんて。ガイドさんの説明も楽しく、6時間の長さは感じない。
かなり歩くので喉も乾くが、飲める水場が豊富にあり、飲み水には困らない。
屋久島に降るたくさんの雨が深い森で浄化され、不純物の少ない自然水が湧き出ている。ミネラル分はほとんど含まない超軟水。甘くて美味しい。こんな水でコーヒーやお茶を入れたら美味しいだろうな、と思っていたら、ガイドさんがインスタント味噌汁を作ってくれた!その美味しいこと。疲れていた体にお味噌汁の塩分が染み渡る。
いよいよ縄文杉とご対面
本格的な山道を登って行った先には、いよいよ縄文杉を望むことのできる展望デッキが!縄文杉を保護するために近づくことはできないが、それでもその存在感に圧倒される。
推定樹齢は諸説あるものの数千年(7000年とも言われている)近く存在し成長し続けている縄文杉は御神木そのもの。はるか昔縄文時代の頃からここにおられたのかと思うと、手を合わせて祈る気持ちにしかならない。
会わせていただきありがとうの気持ち。屋久杉が伐採されていた時代にもこの木だけは守られてきた。この木は神様だったのだ。残っていて本当に良かった。これからもどうぞ生き続けてください。
縄文杉から受け取るパワーとメッセージ
時間をかけ自分の足だけで歩き、奥深い山の森の中までやってきて太古の昔からある大木に出会うと、誰でも神妙な気持ちになると思う。
目先のちっぽけなことなんか気にしないで物事を大きく捉えようと思う。
家族の小さな問題や自分のこの先の行く末、何も案ずることなどないのだ。
数千年の間、そこに存在している大木が教えてくれる。
森の神であり主である縄文杉から漂ってくるパワーとメッセージ。
私自身の身体全体で受け止める。
心にも刻まれる。
ここに来られた奇跡。Aさんから声を掛けてもらえた縁。天候にも恵まれた。もしかしたら雨で来られなかったかもしれないし、自分の体調が悪くなったら歩けなかったかもしれない。一度は来てこの目で見たかった景色。また一つ見ることができて願いがかなった。ありがとう。本当にいつも思うことだが、全てのことに感謝。
ここにもうしばらく佇んで見ていたいのはやまやまだが、また来た道を戻らなければならない現実が待っている。うしろ髪引かれる思いで縄文杉に別れを告げ、帰り道をひたすら歩く。
帰り道も楽しい工夫が
帰り道も疲れを感じさせない工夫が。こんな写真を撮らせてくれたりして、楽しい。とはいえ、やはり長時間歩き続けるには体力は必要。
このツアー対象年齢は65歳までとなっていた。今55歳の私が来られたタイミングも良かった!
さすがに10時間近く歩いていると足に疲れがきて、トロッコ道で足が滑って何度か転んでしまった。幸い怪我することはなく、尻もちをつくくらいで済んだ。山は帰り道の方が怪我をしやすいのは定説なので、気を引き締めて歩くに越したことはない。
出発前にチェックした縄文杉ルートを歩くYouTubeで、雨の帰り道にこのトンネルを見たとき涙が出そうになったという感想を視聴していた。
私たちは今回一度も雨具を使わず、天候にも恵まれた歩きやすい日だった。それでもこのトンネルを見た時は
「ようやくここまで帰って来た〜」
とホッとしたもの。これが雨に降られてずぶ濡れだったら本当に涙が出てしまっていたと思う。
お疲れ様でした
長時間の縄文杉ツアーも無事にゴール。結局11時間近くかかった。
感謝と満足感でいっぱいになり、帰りのバスではうとうと。ホテルに帰り一風呂浴びての夕飯。最高です。今日も一日ありがとう。お疲れ様でした。
翌日は映画「もののけ姫」の舞台背景イメージにもなった白谷雲水峡へ。
続きはまた次のnoteでお会いしましょう。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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