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初めての八ヶ岳硫黄岳登山は母として嬉しい山登りだった

標高2760m硫黄岳の日帰り登山は八ヶ岳入門ルート。
頂上付近は爆裂火口と言われる火口壁を見られるうえ、赤岳、横岳、阿弥陀岳など主要な八ヶ岳の姿も目の前で見られるご褒美付きだ。

あーそんな硫黄岳へ登ってみたい!
と思っていたのだが、ネックは登山道入口までの足。

近くまでバスは通っておらず、マイカーで行く場合に停められる桜平駐車場までは舗装もされていない悪路を20分〜程運転しなければならない。

硫黄岳登山口に近い夏沢鉱泉に泊まるとJR茅野駅で送迎があるのだが、一泊するため2日間要する。天候による日程変更の場合も山小屋に連絡を入れなければならないし、手間もお金もかかる。さてどうしようかな。

ハイキング程度の山登りしかしない夫は論外。週末の中央高速道路の渋滞を避けるために、平日の一日登山の相棒は、、、。

いたいた。次男は昨夏勤めていた会社を辞めて個人事業主としてなんとか暮らしている。独立した息子はあまり当てにしないと思っていたが、ここはアテンドをお願いしてみよう。

「いいよー」と気軽に引き受けてくれる次男の高校時代は山岳部。今はあまり山登りはしていないが、基本は出来上がっているので安心。

しかも彼の車は軽トラの荷台に小さな居住空間が載っている「モバイルハウスカー」駐車場での車中泊ができるし、農道を走るのを得意とする4WDの軽トラは山道の悪路にも大丈夫だろう。初めての車中泊登山。朝早く出発できるから日帰り登山でも時間の余裕があって嬉しい。

迷走台風で何回か日程を組み直した9月水曜日の夕方、仕事から帰宅し、シャワーと夕飯を済ませる。一人暮らし先から帰ってきた息子も同じく済ませ、買い出しをしながら出発。免許取り立ての頃の息子の運転は怖くて仕方なかったが、今は走行距離も経験も積んで大分頼もしくなった。が、やはり時折り緊張する…。

例の悪路に入ってからは緊張が増す。夜で視界は狭く道も狭い。彼は面白そうに運転していたけど、ガッコンガッタン、凸凹がひどい。

無事駐車場に着いたときはホッとした。夜の11時20分頃だったが、車はすでに数台停まっていて、それもホッとした。 

翌朝は5時起きなのですぐに寝る支度。軽トラハウスの中は山小屋に寝るような感覚で二人でも案外快適だ。寝袋にくるまって目を閉じる。駐車場には水洗トイレもあるのでありがたい。

朝は少し明るくなってきた頃起き出し、軽く食べて6時少し前に出発できた。天気も良く、他の車中泊の人達はすでに出発している感じ。朝4時頃から音がしていたもの。

初めての車中泊だったのでゆっくりスタート。(後で分かることだが、5時にスタートしていたらもっと綺麗に遠くの山々が見ることができたらしい。でも今回はこれで上出来!)

夏沢鉱泉
こちらに宿泊すれば茅野駅まで迎えに来てくれるとのこと
木々の間からの朝日が眩しい
7時半。オーレン小屋で休憩
帰りにオーレン小屋名物のボルシチを食べよう!
八ヶ岳の苔に朝日が差し込んできれい〜
この中を歩く幸せ!

気持ちいい苔の森から急に視界が開けた。夏沢峠まできた。登山者は少なめで、同じ人に挨拶したりされたり、休憩場所でまた出会ったり。

「息子に付き合ってもらって登っているんです」と話すと大抵「いいですねぇ」と返される。私も内心嬉しくて喜んでいるのがバレそうな笑顔で「ありがとうございます」と返す笑

そういう時にその場にいる当の息子本人はあまり多くは語らない。はい、分かりますよ。そりゃそうです。親孝行してくれて本当にありがとう。

眩しい〜
夏沢峠を越えると視界が開けてくる
遠くの山は浅間山方面?

左手前は峰の松目かな?
あと1時間早く登っていれば北アルプスまで見られたようだ
同じ日に登った人の活動日記写真には槍ヶ岳が写っていた
見たかったな
でも、これでも充分すぎる良い景色!
天狗岳方面
青い屋根は夏沢峠のヒュッテ夏沢と山びこ荘
登ってきたなー
さぁいよいよ山頂が近づいてきました
山頂まで後少しが長い
ケルンが立ち並んでいる
おぉ〜硫黄岳爆裂火口!

ようやく山頂に到着!雲は出てきているものの、まだ青空で気持ちいい!

あー雲が湧いてきた
広々とした山頂


山頂からのこの景色!八ヶ岳の最高峰赤岳を中心にした山並みがはっきりと見ることができた。実際はもっと迫力があり、これぞザ・八ヶ岳という感じ。

これは圧巻!横岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳がどーんと姿を見せてくれる。
しかし左からどんどん雲が流れてきてる

この雄大な景色を見ながらしばし休憩。おやつタイム。

畑でお世話になっているnoter野菜と山と、時々猫さんから畑仕事のとき頂いた塩羊かん
疲れた体に沁みます〜 ありがとうございました!

赤岳の存在感!頂上や稜線に山小屋があるのが見えた。
この山、私の中では見る山のグループに入れましょう笑
立ち入り禁止ロープのギリギリのところで見る爆裂火口

せっかくなので横岳に向かう稜線上にある硫黄岳山荘まで行ってみる。横岳方面のこちら側はガスってきてるのだが、

真ん中の道の左側にある建物が硫黄岳山荘

振り返ると山頂付近は雲が出てきているがまだ青空。
遠くにケルンが等間隔に並んでいるのが見える。

ケルンが並んでいてどこかヨーロッパ的な雰囲気


進行方向はこんな感じ。

こちらはどことなく中国の万里の長城みたい

右後方を見ると白い砂地の分岐点「赤岩の頭」が見える。後で歩く楽しみな場所。

この時はまだ青空があった

高山植物の女王と呼ばれるコマクサがたくさん咲く場所としても知られているこの道。もう花の季節は終わってしまっていたが、一輪だけかろうじて咲いていた。お会いできて嬉しゅうございます!咲いていてくれありがとう。

枯れかけていたけど見られて嬉しい!

硫黄岳山荘に到着。
その直前に左足脛が攣りそうな感覚を覚えた。むむむ。これは嫌な感じ。ちょうど小屋で休憩できて良かった。あまりお腹は空いてなかったが、梅干しおにぎりを食べ、アミノバイタルを飲み、芍薬甘草湯を服用。
「私の足、頑張れ〜大丈夫だよ〜」と摩りながらおまじないをかける。

天皇陛下がお泊まりになったのですね。
ロイヤルな山小屋です。記念に手拭いとタオルを購入。

来た道を登り返して、また山頂まで戻ってきた。
おまじないが効いたか足は大丈夫。
残念ながら、爆裂火口はガスってしまい、見えません。

この先まで行こうとしたが、何も見えないので止めておいた。

1時間ほど前まで見せてくれていた山々の姿は白いガスの中。ちょっとした時間で、ものすごく景色が変わってしまう。山の天気は変わりやすい。

さてこれから赤岩の頭を目指しつつ下山します。

1時間でどんどん景色が変わる
真っ白


ガスの中、赤岩の頭へ向かう


少し見えてきた


硫黄岳を振り返る

この道の感じが好き。 
いいなぁー。
ここの分岐点からまた八ヶ岳の森の中へ入って行きます。

赤岩の頭
白砂と赤茶の砂が描き出す模様が綺麗

八ヶ岳らしい苔むす森を歩く。

苔の芸術作品があちこちに


きのこも
もののけ姫に出てくるこだまみたい

さぁオーレン小屋まで降りてきた。お待ちかね名物ボルシチの時間!

オーレン小屋のボルシチ✨
お肉もほろほろと柔らかくて美味しい😋

お腹も満たされ後はのんびり駐車場まで歩く。

日本庭園のような景観

しかし夏沢鉱泉を過ぎてからも駐車場まで地味に長くて足が疲れてきた。舗装された砂利まじりの普通の道で2回もずるっと滑って転んでしまったほど。

そして登山計画通り13時45分に駐車場に到着。お疲れ山でした。
また悪路の帰り道にはうんざりだが、昼間だし2回目なので行きの時よりは緊張しなかった。息子が割と楽しそうに運転してたのが救い。

悪路中の難所、赤い橋の場所
行きは橋を渡り、帰りはこれなら川を渡ったほうが楽と判断して川越えをした。
ヘリコプターが物資を運んでました
ありがとうございます

高速インターに向かう道中、「たてしな自由農園原村店」で地元野菜やフルーツの買い物をし、その後はそこから程近い「もみの湯」で温泉に浸かりさっぱり。露天、内風呂、サウナもある源泉かけ流しの天然温泉でとても良かったです!

山登り後の温泉は幸せしか感じません。最高です。

お米が育ってます🌾
令和の米騒動も落ち着くはず

無事に硫黄岳へ登って下山してきた。あー、とっても楽しかったなぁ。

景色も綺麗だったし、硫黄岳まで登って降りてこられたことが私の大事な山経験の一つとなった。課題は足を攣らないようにすること。足の爪トラブルを早く治すこと。

今回、実に一番嬉しかったのは、息子と一緒に硫黄岳に登れたこと。最後にこっそり書きますが笑、とてもとても嬉しい。母の誘いに乗ってくれて、アテンドしてくれてありがとう。モバイルハウスカーの車中泊も楽しかった。

車中や登山中、息子が今やっていることや、これからどうしていきたいかとか、自分の考えを話してくれて、こういう時間は本当に貴重です。彼のやりたいようにやっていけばいい、と私は思っています。真面目にコツコツやっていれば応援してくれる人があちこちから出てくるでしょう。現に今もそうだし、これからもっと増えるといい。

車中泊登山もちゃんとした八ヶ岳登山も私にとっては初めてで、挑戦したいことの一つだった。やらない選択もあるけれど、やってみたかったし、やって良かったなぁとつくづく感じている。一人ではやり難いことだったが、息子がアテンドしてくれて本当に心強かったし、嬉しかった。(何回書けば気が済むのか笑)

そんな息子の挑戦を私は応援したい。大手企業を辞めたことを「もったいない」と祖父母はじめ、夫も思っている。私はそうは思っていない。人生一度きりなんだからやりたいことがあればやった方がいい。
#挑戦して良かった
是非彼にもnoteを書いてほしいところだ。

最後まで読んでくださりありがとうございました。


#挑戦してよかった


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