見出し画像

金貨/ペンタクルのキング

金貨/ペンタクルのキング

画像1

大まかな意味(正位置の解釈)

  牡牛を象った黒い玉座に、葡萄の模様をあしらったローブを纏った王が座しています。背景の山並みの麓が見えない状態や建物の足元が見えない状況との関係を見るに、ここはある程度高度のある城の上階でしょうか。あるいは、かつて卓越した建築技術と富をもって築かれたとされている空中庭園でしょうか。「金貨/ペンタクル」のスートの技量の熟達、財の運用に長けたこのキングならばそれを実現していてもおかしくはありません。ここまで豊かに生い茂るのには10年はかかるであろう蔦植物や甘く大きく実るには確かな管理を必要とする葡萄が見事に育っているのは一重にこの王の長期的な計画を立てる力に秀でた部分、そしてそのための資源や人の配分などの現実的な勘案が得意な側面によるところが大きいでしょう。ビジネスマンや上に立つものとして必要な忍耐や計画性に秀でた人物と言えそうです。その分、やや寡黙すぎる部分や、本人自身も財を好む側面はありそうです。また企業の会長や役員のような心境の人物を指すことが多いので、若々しくエネルギッシュな印象を与える人ではありません。(営業トーク上有利であると判断したならば、話術で相手を酔わせることは平気でしそうですが、それでも他のキングに比べて事前準備を入念に進め損得配分をきっちりし、詭弁に頼らないで済むように周到に条件を整えてから交渉のテーブルにつくところがあるでしょう。)
 ★大まかな意味:長期的な計画、長期的な計画を実らせるだけの力量がある人物や状況、お金が好きでそれを得るだけの力を持っている人物
 ★人間関係/恋愛上の意味:(確たる利益や世間体が得られると見越して)相手との関係を長期的に育んでいこうと考えている人物、美食やお金をかける趣味がある人物との交際、実利に聡くやや計算高い人物との交流
 日常における物事との関連:何十年と続く見込みのある企業や既に続いている大企業、福利厚生の整った企業、これからもじわじわと利益が伸びていく企業や団体、お金に裏打ちされた名声ある人物

逆位置


  逆位置になると、この庭園の葡萄は腐り放題、蔦も伸び放題、害虫や害獣すら湧いているかもしれません。キングは一体何をしているのでしょうか。「金貨/ペンタクルの4」のように富を独占したり、保守的になりすぎて損を出したり、それなのに自分は裏から人を動かすようなことばかりしていたために自分の口を使って周囲を宥めることすら忘れていそうです。他の人を利益で動かす黒幕的な気質が、他人に対する消極性や臆病さ、内気さとして出てしまうのかもしれません。内側に籠もってどうせ自分なんてとくだを巻く姿勢は尊敬できるものではありません。現実に対処するだけの力や胆力もなく、ただ偉ぶるだけという意味においては他の「キング」の逆位置とよく似た情けなさがあります。ただし、「金貨/ペンタクルのキング」の逆位置の場合、暴力や暴言に訴えたりしないだけマシかもしれませんが、本当に口を利かなくなる傾向が強いようです。周囲が助けようにも手立てがなく、自分で腐っていく部分が厄介だと言えるかもしれません。腐敗を大きくしながら他者の介入を許さない隠蔽体質はいかがなものでしょうか。お酒や食べ物に逃げる浪費家としてこのカードが姿を表すこともあります。
  筆者はとりあえず口を開いてちゃんと主張するべきことを言えと言いたくなります。外側に出なければ何事も対処のしようがありません。困っている時ぐらいはプライドを捨てて周囲に助けを求めるようにして下さい。まずはその冠を脱ぐところからです。
 ★大まかな意味:非常な怠惰、お金を管理する能力がない、借金を抱えるような浪費やギャンブル、マネーロンダリングやお金にまつわる大損、金銭管理にルーズな人物や団体
 ★人間関係/恋愛上の意味:不誠実な人物、口数が少なすぎて会話が成立しない人物、自分も他人も養う能力も器量もないのに偉ぶっている人物、他人を食い潰すだけの人物、(関係が遠い場合)自分のことで手一杯の子供、それなのに他人への要求が多く自分の抱えている問題の解決に乗り出さない、(稀なケースでは)性的な関係や酒類食べ物への依存(過剰な摂取が問題となるケースが多いです)
 日常における物事との関連:凄まじい汚部屋、慢性的な肥満や成人病、生活習慣の悪さ、内部に腐敗を抱えながら体裁だけは取り繕ろおうとする人物や企業、隠蔽やお金にまつわる犯罪がある状況

ここから先は

2,663字
この記事のみ ¥ 100
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします!サポート頂いた費用はタロット解説に活かしていきます!記事のリクエストをくださってもいいんですよ……?