金貨/ペンタクルの6
大まかな意味(正位置の解釈)
この絵に描かれている2人の物乞いは「金貨/ペンタクルの5」で彷徨っていた2人でしょうか。羽織っている布の色がよく似ています。教会に保護されたならば往来で裕福な人物から寄付を乞うような状態を牧師や神父、修道士が許すはずもありません。慈善家は高価な染料から作られた赤色のマントと帽子を纏えるだけ裕福で、金の靴と秤はツールにお金をかけるだけの余裕があることを示しています。服の白と水色の縦縞は彼の冷静さを示しているようで、慈善活動をするだけの余力を築ける点も納得です。「金貨/ペンタクルの4」の富を独占するような状態を脱し、また「金貨/ペンタクルの5」に示されるようなそれどころではない状態ではない彼は、経済とは富を循環させること、また与える側も得るものがあることをきっちりと自覚しているようです。ギブアンドテイクが経済の本質であることを分かっているようですね。
★大まかな意味:ギブアンドテイクが成立している関係、お互いに利益がある嬉しい関係、裕福な人物
★人間関係/恋愛上の意味:ギブアンドテイクが成立している関係、利益をベースにしつつお互いに与え合える関係、(他のカードとの組み合わせによっては/「カードコンボ」の項目参照)一方が慈善家として施しもう一方が物乞いとして施しを受けるギブアンドテイクのバランスがやや不均衡な関係
日常における物事との関連:慈善家、福祉に関わる人物、パトロン、気持ちよくお金を使える人物や状況、相手に対して温かい目も持ちつつ利益も勘案している状態
逆位置
逆位置になると、このギブアンドテイクの関係が崩れます。これにはいくつかパターンが想定されます。例えば、慈善家がお金を払っているのだから自分の言う通りにしろなどと高圧的になる状態。もしくは、物乞いが厚かましくなって、何も与えないのに要求ばかり大きくなり、相手の与えてくれるものにケチをつけるような状態。平等とは同じ条件で人々が暮らすことではないと筆者は思います。正位置の場合のように、立場や権力、財力に差があっても、心は満たされた状態で双方にとって対人上得がある関係というのはあり得ます。逆位置になるとそれがめっきり崩れてしまっているのです。理不尽で不平等な状態がまかり通っていると言えます。どちらかの要求が優先されるばかりで、しかし誰も本当の要望が叶えられていないために砂を噛むような状態が想定されます。そもそもお互いの欲しいものが一致していないのかもしれません。このままでは険悪になるか、交流の頻度がぐんと減るかしてしまうでしょう。
★大まかな意味:不平等な状態、ギブアンドテイクが成立していない、どちらかが得をしてどちらかが確実に損をする状態、転じてコミュニケーションの停滞など
★人間関係/恋愛上の意味:折り合わない会話、どうしても一致しない利害、どちらかが得をしてどちらかが損をする状態、一方的な意見の押し付けをもう一方が嫌がっていること、(極端なケースでは)洗脳を受けている状態や経済的な要素を介した支配、一方を慈善家の立場に、もう一方を力無い物乞いの関係におく嫌な状態など
日常における物事との関連:不正な慈善活動、勝ち負けが生じる関係、利得のない状況、利益のない状態
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