金貨/ペンタクルの10
金貨/ペンタクルの10
大まかな意味(正位置の解釈)
10枚の金貨が生命の樹(セフィロトツリー)の形のように掲げられています。この形はまるで家紋のようで、財を成す物語が大団円を迎えたことを示します。2頭の猟犬らしき犬が示すのは財や獲物を狩るための力、子供は豊かさを継承する人間、2人の若者は現役世代、最も手前に見える老人はきっとこの富を築き上げた張本人なのでしょう。葡萄を背にして座り、栄えている街と木々を見つめているこの老人は、豊かさを楽しみ、また管理する能力にも長けていることが暗示されています。財の行き着くところは、それを分け合う人物の存在、それを守る人脈の存在、そして時を超えて今の世代が無くなったとしてもそれを継承していく者達の存在にあります。人と分け合えるような富、人生の苦楽を乗り越え楽しむために十分な元手、それを惜しみなく、しかし利益や損失も勘定に入れながら運用していくことを示しています。
注意したいのは、この絵において顔が見えている人物がやや少ないことです。表情が窺えないということは、より感情的な動きに注意する必要があります。この絵の大部分を占める色が金色や赤色ではなく、灰色と青色であることからも、団欒などの言葉から想起される温かいイメージに比べたら案外冷静な感情や状態を物語るカードであることは明らかです。お金に関する問題、例えば相場や需要と供給が常に変動するように、何かとお金のかかる人間関係の維持にも不変の要素はないと思っておいた方が無難です。
★大まかな意味:金銭や利益、技術に関する管理に長けた状態や人物、長く繁栄する人脈やお金と情の両方に基づいた関係
★人間関係/恋愛上の意味:長期の存続を視野に入れた関係、ステータスや金銭を得る関係ではあるが同時に家族的な絆の近さを感じさせる関係、(関係が遠い場合)自分の身内を大切にしていてこちらに意識が向いていない状態
日常における物事との関連:確実に得になる遺産や贈与、何年何十年と続く企業の社長や役員、あるいはその企業、隠居したお金持ち(アーリーリタイアもありうる)、盛大で喜ばしい親族あるいはそれに類する仲間内の集まり(大体結構な金額が動く宴席や団体旅行などが想定される)
逆位置
逆位置になると、平穏に繁栄していた状況が崩れる予兆があります。顔の見えない関係者が離反するのでしょうか。猟犬のしつけがなっていないのでしょうか。子供は富を継承するにあたってふさわしい人物ではないのでしょうか。葡萄は腐ってしまっているのでしょうか、老人のお金の管理に関する力量は衰えてしまっているのでしょうか、時勢に合致していないのでしょうか。他にも、長いこと解決されていない禍根の存在なども暗示し得ます。いずれにせよ、築き上げたものがこのまま放置すれば崩れていったり、温かいはずの居場所が冷え込んでいきそうです。早急に対策を打ってください。
★大まかな意味:長く強固に続いた組織内での不和や少しの崩壊の兆し、仲間内での不和、盤石な能力はあるもののやや不安要素が出てきた状態
★人間関係/恋愛上の意味:家庭内や仲間内で不和か難しい問題が生じている、表面上はうまくいっているようでも内部に利害の対立や慢性的な症状に根差した解消し難い悩みがある、禍根が長く続いている状態
日常における物事との関連:理想的に見える人物や集まりの中の慢性的な問題、家系的に受け継いでいる遺伝病、負の遺産、価値が減ってきた土地や不動産や美術品など受け継がれてきたもの
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