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金貨/ペンタクルのクイーン

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大まかな意味(正位置の解釈)

  薔薇のアーチが備わっている庭園で、金の王冠を戴いた女王が過去を示す左側を向きながら金貨を大切そうに見つめています。背景には川が流れ、水仙らしき花が咲き、彼女の足元には豊かな林などがなければ生息できないうさぎが走っていきます。羊や牡牛の描かれたしっかりとした石の玉座は彼女の地位の盤石さを示しているようで、また遠くに見える三角州や青い山も彼女の領地なのでしょうか。だとすれば、彼女は広い領地をも自分の庭のように管理しきっているやり手の人物だともいえます。その上で、薔薇や水仙などバリエーションに富んだ花を植える彼女は美を愛する一面もありそうです。それを維持するのに手間暇やお金、技術が必要なことも心得ていそうです。五感にアピールする物全て、またお金の管理に関して聡い彼女はつまらない人物ということはまずあり得ず、彼女の衣や薔薇の色が示す通り赤く情熱的な気性もあるのでしょうが、冠から垂れ下がる緑のヴェールや彼女の表情を見るに、あまり表に出ようとする人物ではないでしょう。現実性や洗練、経験に裏打ちされた静かな存在感が強烈に映る人物だと言えそうです。
 ★大まかな意味:表には出ようとしないが確かな実力と洗練されたセンスを持っている人物や状態、知る人ぞ知る実力者、ラグジュアリーを好むお金のある人物や状況、美的センスと贅沢が表裏一体だと考える価値観など
 ★人間関係/恋愛上の意味:控えめだが抜け目ない芯の強い人物との関わり、ややお金がかかる方向の上品な美的センスを持った人物や状況、それを重視する価値観、(相手の性的な性質を占った場合)ゆっくりと快感を高めることに長けた情熱的な熟練した恋人、恋愛や性的方面においてお金をかけることを惜しまない状態(やや受動的で表現が上品である場合が多い)
 日常における物事との関連:例えば高価な化粧品や食品のブランドの会社や人物、料理やガーデニングなどに明るい人物、お金の管理に長けた感情表現は控えめな人物

逆位置


  逆位置になると、クイーンの性質が裏目に出ます。五感に訴えかけるものが好きな気性は耽溺や享楽に向くようになり、また見事な庭園を維持していた技量やセンスは容易く怠惰へと落ちます。そうすると困るのは彼女の領内にいる人物です。もたらされていた豊穣や実りが削がれれば飢餓に喘ぐ人々や治水がされていなければこれだけ河川の多い地形では水害に苦しむ人も出てくるはずです。育んだ物に対する責任を放棄する姿勢は統治者として適格とは言えません。内政に長けていた人物であればこそ、もう一度責任感や情熱を取り戻す必要があるのですが、既にその気力もないのでしょうか。女王と命運を共にする領地が哀れです。そもそも女王自体が自分自身を養うだけの気力を失ってしまっているのかもしれません。他に適格者がいれば王位を譲るべきなのでしょうが、既に手にした財物への執着が強すぎてそれもままならないのでしょうか。見苦しい状態がこれ以上続かないよう、何か革新が欲しいところです。
 ★大まかな意味:今まで育んできたものをほったらかしにする、整えられるべきものが放置されている、自分よりも弱いものに目をかけていたのに突然放棄する、あまりにも乗り気でない状態、内部からの腐敗
 ★人間関係/恋愛上の意味:以前は目をかけてくれていたのに今は放置されている、利益をベースに築いた関係だがそもそもその利益が失われているがために距離がどんどん遠くなっている、世間体を維持するためだけの中身のない関係、内部にもはや話し合う事すらしない冷戦状態の禍根がある
 日常における物事との関連:仮面夫婦/夫夫/婦婦/配偶者あるいはそれに類する者の関係(仲間内でもあり得ます)、子供や介護上のネグレクト、(稀なケースでは)娼業に関わる人物、(健康を占った場合)慢性化している婦人系や消化器の病気など

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