剣/ソードのエース
剣/ソードのエース
大まかな意味(正位置の解釈)
灰色の空の下、同じく灰色の雲から顕現した白い手が水色と白色に輝く剣を持っています。切っ先には金色の王冠が輝いています。オリーブの枝と思われるものと、編みかけの月桂冠と思われるものが下がっていることから、この剣が平和と勝利のために振るわれるべきものであることを示しているようです。手は未来を示す右側に向かって剣を掲げており、剣/ソードのスートが示す知性とは未来に向かって使われるものであるというタロットの思想が反映されているようです。しかし、一方で「剣/ソードのエース」の背景は今まで見たどの「エース」のそれよりも荒涼としているようです。温度が低そうで、雲ひとつない空は風が何者にも妨害されず速く流れていきそうな雰囲気すらあります。「剣/ソード」が司る知性というものは当然損得(金貨/ペンタクルのスート)を置き去りにし、感情(聖杯/カップのスート)をも超え、時として情熱(棒/ワンドのスート)よりも速く結論に達するものなのかもしれません。
★大まかな意味:決断力、合理性、頭が冴えている状態、何かに関する決意が固い、怜悧冷徹な状態、勉強や学業は捗りやすい状態
★人間関係/恋愛上の意味:何かに関して答えが出たような心境、物事を勘案して冷静な結論を出している状態、(関係が遠い場合)考え事などが楽しすぎてそれどころではない、(関係が近い場合)長い間抱えていた問題を解決しようとしている/関係に対して非常に意欲的な状態(新しい遊びのアイディアを出したり、問題の解決をしたりすることへの意欲が高い状態、コミュニケーションや知的な刺激を求めていることが多いです。色気からは遠い感情です。)
日常における物事との関連:契約の締結、勉強の進展、発明などのブレイクスルーが起きること、成績優秀者や弁が立つ人物など
逆位置
逆位置になると、剣から冠は落ち、冠に巻きついていた植物も冷たい地面に落ちてしまいます。剣は下を向き、よほど足などを狙った一撃ではない限り防ぐことはできません。少なくとも、この剣の位置でできるとしたら地面に横たわった敵の頭や心臓を貫いてトドメを刺すことぐらいです。「剣/ソードのエース」の逆位置はいくつかの解釈が可能です。頭が混乱していて考えがまとまらなかったり、周囲の脅威や状況に対して無防備になってしまうほど優柔不断になってしまっている状態にあるという解釈が一つ。もう一つは、合理性や知性が行きすぎて意地悪に誰かを傷つけかねない状態にあるという解釈です。どちらに寄っているかは周囲のカードによるでしょう。多くの場合は、後者の他者を傷つけかねない知性を表していると筆者は取っています。刺々しい心境にある時に得やすいカードです。
★大まかな意味:過度の合理性、決断力が行き過ぎて冷酷になっている状態、結論に至るまで飛躍しすぎて混乱している状態、(カードの組み合わせによっては)優柔不断になっている、力を出しきれない状態
★人間関係/恋愛上の意味:やや攻撃的になっているような状態、合理性が行き過ぎているために冷酷になっている、禍根がある場合は相当に攻撃性が高まっている状態、(関係が遠い場合)決め手に欠けるために相手に接近するのを躊躇している、(何かの決断の直前にある場合)今は時期ではないと思っている、(長く続く関係である場合)不満があるため解決しようとしているが決め手に欠けている
日常における物事との関連:契約の遅滞、勉強上のスランプ、知識や技術の悪用、優秀だが今ひとつ人格に問題がある人物、精神的に混乱状態にある人物や状態
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