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花を生ける時、地球を生ける

地球はまるいし、命もまるい。
何ひとつ、欠けることなく、こうして紫陽花の季節が巡って来ました。

46億年前に誕生した地球の、最初の生命は植物です。植物が光合成を求めて地上で繁殖し始めたのが5億年前と言われています。

ホモサピエンスが現れたのは今から25万年前(たったの)。植物が何億年もかけて作った環境があればこそ私たちの命はこうして繋がれています。

春から初夏にかけての空気は、童心を呼び覚まします。きっと、その様な思いを抱く方も多いのではないでしょうか。

まだ空き地や野原が多かった私たちが子供の頃は、「遊ぶ」というのは外で行われる時代です。

夢中になって名も知らぬ野の花を摘んで、帽子も靴もすっ飛ばして、どろんこになって帰ったものでした。

嬉しかったのは、母がジャムの空き瓶をきれいに洗って、私が摘んだ花々を「きれいね」と飾ってくれたこと。

それが私の原風景です。

そこから花の道が引かれていて、途中道草もしましたが、今では花の仕事を営んでいます。

結局は、デザインだとか型だとかそんな小さなことにこだわる必要なんてないんです。

帽子も靴もすっ飛ばしてどろんこになった方が断然楽しいから。

その時こそ本当に人は自然の一部であることを知り、地球と一体化できるのでしょう。

何かで息詰まっていたり、ストレスを抱えてモヤモヤしていたら、自然の一部であることを忘れているのかもしれません。
地球から切り放されて不安の中にいるのかもしれません。

でも、大丈夫。大切なことを忘れているだけですから。

頭で考えるより、しっかり身体感覚を取り戻して、一輪の花を生けると自分自身が生き返る気がします。

鎌倉で行われる新しい講座のお知らせです。

一つの花、一つの葉で、文学からインスパイアされた美を表現します。
きっと、童心にかえり、美と戯れる時間となるでしょう。


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