日本語母語話者と学ぶ日本語クラス
語学教室の固定概念を破りたい私は、日本人と一緒に学ぶ教室作りもしています。
こんにちは。たまきです。
自己紹介記事は⬇️こちらです。
英国国立大学のイブニングクラス(公開講座)で私は日本語母語話者に授業に参加してもらっています。
きっかけは20年ほど前に所属していた日本語学校で行った実践研究です。
「サポーターの試験を受けた作文授業」という実践研究発表を同僚と行いました。
(同僚と書いた実践研究報告の原稿のリンクを埋め込んでいます。クリックするとカイ日本語スクールのグーグルドライブからPDFファイルがダウンロードされます)
これは作文の授業は苦手だという学習者の負担を軽くするために、日本語母語話者をサポーターとして教室に招いて授業を行ったものです。
サポーターの役割は、1)作文のテーマを決める際、学習者と同じ目線でディスカッションに参加すること、2)作文を書いているときに生きる辞書として、書きたい表現の提案をすること、でした。
このときの実践で学習者がいきいきとサポーターと活動に取り組んでいたので、イギリスで教え始めてからも通常のクラスで応用してみようと思ったのです。
現在教えている中上級のクラスでは3人から4人の日本人留学生がいわば学習サポーターとして参加してくれています。このクラスは日本語能力試験でいうと、N4からN1レベルが混在しています。このレベル差のあるクラスでは小グループでいくつかのタスクを行う授業をしています。
一斉に何かをするのは2時間のうちはじめの10分ほどのウォームアップだけで、その後は私が用意した教材に沿って、それぞれのグループのペースでタスクを行っていきます。
グループごとに一緒に考え、タスクを行っていく中で、サポーターは言葉の意味を説明したり、日本事情について意見を求められたり、また、サポーターから学習者へイギリスの生活環境や社会についての質問をしたりなど、活発なやり取りが行われています。脱線することもしばしばありますが、それは日本語練習の一環として奨励しています。
この授業では私は影にまわり、授業プランを用意すること、時間管理を行うこと、学習者にCandoベースで達成度を自ら振り返ることを促したりしています。もちろん、日本語母語話者のサポーターと学習者のみなさんにはいつでも私に助けを求めていいと伝えていますが、たいていは私は傍観者でタイムキーパーです。
イギリスの田舎町ですから、普段日本人とコミュニケーションできる機会は殆どありません。学習者は教室内で、日本人とのやり取りをすることをとても楽しんでいるようです。仲良くなって、授業以外に遊びに出かけたりしている人もいます。
また、このクラスは日本語母語話者側にも利点があると思います。それは、日本語母語話者は留学生がほとんどですが、環境の違いや、勉強などで少なからずのストレスを抱えて生活しているでしょう。でも、日本語の授業で「必要とされている」「感謝される」「誰かの助けになる」という機会によって明るい表情が見られるので、それは私にとってもうれしいことです。
日本の大学では留学生支援という形で、こういった実践を行っているところがあるようですが、国外で実践例を目にしたことがありません。なので、実践発表をしなくちゃ!と自分を鼓舞しています。
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日本語学習の需要は高くて広範囲にわたり、学習者の背景もどんどん多様化しています。そんな「教育方法は一つじゃない」状況で様々な教育者の経験が他の教育者の明日の授業に役立つのではないでしょうか。私もこの場で経験を共有し貢献できたら幸いです。コーヒー一杯の励ましをお願いします🙇♀️