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天候や体内が変わっていく「白露」の過ごし方
白露について
「白露(はくろ)」は、秋の三番目の節気です。太陽黄経が165度に位置する時のことで、今年は9月7日に当たります。「白露」の期間は9月7日から、次の節気「秋分」(9月22日頃)までの約15日間を指します。
「白露」は、草の葉に白い露が結ぶという意味。夜中に大気が冷え込み、草花に朝露がつき始めるため、そう名付けられたそうです。
ようやく日中の暑さも和らぎ始め、過ごしやすくなっていきます。だんだんと秋の気配が深まっていく時期ですが、秋雨前線が発生し停滞しやすく、長雨が降りやすい時期でもあります。
※二十四節気とは?
二十四節気は太陽の動きをもとにしており、太陽の黄道上(360度)の動きを15度ずつ、24等分して分けた季節の事です。毎年同じ時期に、同じ節気が巡ってきます。節気の感覚が一定で、半月ごとの季節変化に対応できるため、古くから、農作業や暮らしの目安として使用されてきました。
( 二十四節気が使用されるさらに昔は、月の満ち欠けに基づいた太陰暦のみが使われていました。ただ太陰暦は、太陽の位置と無関係で、季節にズレが生じてしまうため、二十四節気が考えられたそうです。)
おすすめの養生法
「白露」を迎えると、徐々に大気が乾燥してきます。そのため、「肺」がうまく機能しないと、皮膚粘膜が弱くなり、防御機能が低下し、鼻や気管支のトラブルが起きやすくなります。鼻づまりやアレルギー性鼻炎、咳や痰のつまり、喘息などの症状が出やすい方は養生しましょう。
喘息には、蓮根が良いとされています。寒性の食材なので、冷えの強い人の過食は向きませんが、血を綺麗にしてくれる上に、イライラの解消にも役立ちます。また、山芋は肺を潤し、滋養強壮の効果があります。疲労回復や不眠症、アンチエイジングにも効果的です。
この時期、秋雨や台風の発生時に頭痛がし、重だるくて悩まれる方も多いかと思います。
頭痛の原因として考えられることは、低気圧+湿度の上昇です。気圧が下がることで、体内にある過剰な水分が上へ外へ移動していきます。そして、湿度の上昇によって体内の水がさらに増加し、むくみがち。東洋医学では、頭に過剰な水が溜まってむくむことで頭が張り、頭痛という症状を起こしていると考えられています。
対処法は、過剰に溜まってしまう水をきちんと排泄していくこと。体内の巡りをよくすることで改善されていきます。水分代謝に関係のある、「肺」「脾」「腎」の働きが弱まっていると、むくみやすい体になるので、健康な状態に保つことを意識していきましょう。
「肺」「脾」「腎」3つに共通する、養生法のポイント
・体を冷やさないこと (特に下半身)
・消化に良い物を食べること (湿を作らない)
・呼吸を深くすること
また、味の濃いものを好んで食べていると、ナトリウムの摂取量が増え、水を溜め込むようになります。反対に、野菜に多く含まれるカリウムは排泄を促す役割を担うので、バランスの良い食事を心がけましょう。
そして、冷え症の方は血行不良になり、巡りが悪くなりがち。血行不良は、運動不足や姿勢のズレによっても起こるので、全身に血や水分を巡らす為に必要な筋力も作っていくことが大切です。
上記のことを参考にしながら、普段から取り入れる食材や生活習慣を意識することで、頭痛に悩まない体質をつくっていきましょう!
「白露」に作る、おうち養生レシピメニュー
これから「白露」の期間中、今の時期だからこそ作りたい「旬のレシピ」を紹介していきます。
▼メニュー
9/9 モロヘイヤと長芋のねばねばナムル丼
9/11 海鮮シュウマイ
9/13 レンコンとミニトマトのきんぴら
9/17 小豆かぼちゃ
9/20 しじみと焼きナスのお味噌汁
※ 都合上、公開日を変更いたしました。ご了承くださいませ。(9/17 追記)
「白露」の乾燥に耐えうる「肺」をつくりながら、体内の過剰な水を排出していけるメニューです。暑さで疲れた身体が、気圧や湿度の変化に負けないよう、「白露」の食卓に、バランス良く旬の食材を取り入れていきましょう。