2024.12月 最終の日記
2025年もよろしくおねがいいたします。
12/28(土曜日)
冬の寒さがやってきた。
しばらく履いていなかった靴を修理に出す。
よく見るとかかとやつま先に擦った跡があり、キズを補修して磨いてもらうことにして靴を預け、その足で学生時代からの友だちに会いに行く。
小田急沿線にある、ふたりでよく行く喫茶店で待ち合わせ。
メニュー表に苦味と酸味のフローチャートがあって、15種類ほどのいろんな国の豆が分布されている。
表の真ん中の位置にある、コスタリカという豆の珈琲を初めて飲んでみた。
バランスのとれた味と書かれていて、苦からず酸っぱからず、飲みやすく、その通りの味だった。飲んだことのない珈琲豆の種類は尽きないから、いつもは同じものばかり選んでしまう私だけど、最近は試すのが楽しくなってきた。
お互いの近況を一気に語らう。
当事者にとっては、むかっとした内容であっても、友だちと話しているうちに笑い話に転じる。私が怒りながら話すほど友だちはケタケタ笑っていた。
よくドラマや漫画に出てくるようなアクの強いひと、個性全開のひと。実際に居たらその周りの関係者たちは大変だけれど、一歩引いてみると、良いネタを仕入れたくらいの感じになる、というか。
先日の旅行の話をするうち、また行ってみたい場所が増えて行く。
門司港駅とか小豆島とか。
*
下北沢へ移動して、学生の頃、いや私が子どもの頃からすでにあったと思う、駅のそばの通りの角にある玉井屋さんという老舗のお煎餅屋さんで柿の種を買う。粗目の唐辛子がついていてピリ辛そう。ピールが好きな母のおつまみに。
友だちが選んだ「小柳」という細長いおかきにも七味のような唐辛子がくっついていて美味しそう。
丸くて大きなガラスの保存瓶から掬って、量り売りで100グラム、袋にざざーっと勢いよく入れてもらった。その袋の口を機械で圧着する、お店の方の手慣れた一連の流れを眺めながら。
アウトドア用品店、香りの専門店、スタイリッシュで注文の仕方が独特な珈琲屋さん、洋服屋さんなど見て回るうちに、どんなきっかけでこの職業に興味をもったのかを店員さんに聞いてみたくなった。
夕方少し雨が降ってすぐ止んだ。
気になっていたカレー屋さんでスパイスカレーを食べる。
トッピングの卵のピクルスも味のアクセントになり、美味しかった。
店内でスピッツの歌が流れていて、良いよね〜と浸る。流れている音楽が懐かしい曲ばかりだった。
最近職場であった可笑しな出来事(時効になったらいつか書けるかも、です)について、友だちの見解を聞く。やっぱり変だよね?と共感し合えてホッとする。
客観的に見ると、ドラマ「ブラッシュアップライフ」のドラマのあの3人のような細かな、他のひとにとってはどうでも良いような会話をしていたと思う。
そんな最中、他のテーブルのひとりの男性客がカレーのひと口目をすごく嬉しそうに美味しそうに食べていたよ、と友だちが教えてくれた。いいね。
預けていた靴を駅前で受け取り、
お互いの手をぽんぽん合わせながら、じゃまた来年ね、と改札口で清々しく別れた。
ラムの入ったチャイを飲んだせいか、帰り道ですでに二日酔いのような状態になるも、しばらくぐっと気を集中してこらえた。
*
夜、寅さんの映画の続きを最後まで観た。恋はお決まりの結末だけど、やっばり切なくて哀しくて可愛くて、ときどき男気を見せる寅さんの横顔がかっこ良くて、柴又のみんなそれぞれが良いなぁとじんわりしてしまう。
12/29(日曜日)
日が出ていて、昨日よりかは暖かそう。
午前中は自分の机まわりの片づけ。
レターセットや一筆箋、ポストカード類、多いなぁ。
間引いてもあまり減らなかった。
来年も、使っていなかったものを使おうよキャンペーン続行だな。
おやつの時間に合わせて、先日買ったパンケーキミックスを使って焼いてみる。
4分の2枚を焦がした。火が強かった。
年賀状を書いていた父にヘルプを求めて、まず鉄のフライパンを浄化した。
一度きれいに洗ってお湯で熱すると、フライパンの表面に付いていた細かい粉がふわーっと水面に浮きあがってきた。
ここでちゃんと諸悪を鎮めなければなければいけない、と父がふざけて言うので、ふたりでどうか焦げませんように、とぶくぶく煮立つフライパンのお湯に向かって滝行のひとみたいに祈りをささげた。
こころも落ち着きを取り戻し、表示通りに作ると焼く時間が長すぎる、火が強すぎることがわかったので、こまめにひっくり返して加減した。
これを10回くらい繰り返したら、上手く焼けるような気持ちにまでなってきた。
さっきよりかはきれいに焼きあがったパンケーキにバターとはちみつを塗り込んで、
さあ、というところで急激に眠くなったので休憩。
その合間に散らかった洗い物を父が片付けてくれた。
買い物に行っていた母が帰ってきて、焦げくさいよ、と心配して台所へ入ってきた。
換気扇は「強」のマックスにしているんだけど。
焦げたパンケーキは、焦げている部分を取り除いて食べることになった。
内職するかのように、きれいに焦げをはがした。
姉がめったに見せない優しさを発揮して、黙って一番たくさん食べてくれた。
功労賞だ、もったいない神様から祝福されているよ、などとみんなで褒めたたえた。
こんなに焦げているのにまだ生焼けのところもあって、さらにアルミホイルに包んでグリルで焼いた。火の番は父がして、炉端焼き屋の亭主みたいに「はいよっ」と焼けたものからこちらにパスしてくれた。
おやつのつもりが家族を巻き込んで大わらわになってしまった。
味わうどころか執念で食べきったような・・
夜、お風呂から出ると、まだ部屋のなかが何となく焦げくさかった。
12/30(月曜日)
もう30日か。
お昼、ドラマ「孤独のグルメ」の再放送を観ながら、稲庭うどん(釜揚げ)をつるつる食べる。母がご近所さんにいただいたもの。うどんは肘を伸ばして持ち上げてもつながっているくらい長かった。すべすべしていて美味しかった。薬味にちぎった海苔を入れるのが好き。
昨夜は読書しているうちに深夜になっていて、いそいでお風呂に入って寝た。
年末年始は9連休の予定で、夜更かしばっかりしていると、最後の3日間くらいから急に朝起きれなくなるんじゃないか、と気になり始めるので、なるべく夜型になりすぎないように気をつけよう‥できるかな‥できるとも‥
夜、渋谷へ移動して以前一緒に働いていた、年下の子と食事する。
渋谷の街並みを見下ろしながら、たくさん話してたくさん笑う。
彼女は熊本の生まれなので、良いお店を教えたもらった先日の旅行のお礼と報告も。
お互いに旅が好きだから、大いに盛り上がった。
*
帰りの電車で、ちょっとしゃべりすぎたか、彼女の話をちゃんと聞いていたかな、と少しだけ落ち着かなくなった。
私の場合、友だちと会う機会はお互いの家庭環境の変化などで年々なんとなーく減っていき、一緒に働いていたひとたちと会うことが増えている。知り合いというと遠いけど、友だちと呼ぶのもちょっとちがうような。長いお付き合いなんだけど、手放しに飛びつくような感じでもなくて遠慮もまだ混ざっているような関係というか。
純粋な友だちはありがたいし、仕事で知り合ったひとたちもどちらも大切。
12/31(火曜日)
すみずみまで徹底的に、というわけではないけど、いつもよりか丁寧に掃除をした。
ほこりがあるところは、ドライシートで拭き掃除した。
窓を開けていてもそんなに寒くなく、動くうちにだんだんからだがあたたまった。
部屋がさっぱりした気分。
夕方、友だちから柚子が届く。
小ぶりできれいな柚子が良い香りと共に。ありがとう。
海老天の乗った年越しそばを食べる。紅白を観て、ヨルガヤ姉妹を観て年越し。
毎年同じように繰り返される年末にありがたさを感じた。
今年もお疲れさまでした。
・今月読んだ本
■ モヤ対談(小学館) 花田 菜々子
■ 誕生日のアップルパイ(夏葉社)
庄野 千鶴子
■ つれづれノート45 ひとりの道をひた走る(角川文庫) 銀色 夏生