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クロカン練習のススメ(ランニング練習)

先日、久しぶりにクロカン施設に行って、軽く走ってきました。コロナ禍前は頻繁に走りに行ってたのですが、コロナ禍以降では初めてでした。久しぶりに走ると、軽いジョグ程度だったのにも関わらず、かなり足にきてしまいました。特にふくらはぎが強く張って、これ以上頑張ると攣ってしまうんじゃないか、というくらい張っていました。やっぱり走ってないと身体が走り方を忘れてしまうんだな、もっと走りに行かないとダメだな、と思った次第です。
(私の行ったクロカン施設は起伏が多く1時間半ほど上り下りばかり走っていた、というのもありますが。)

クロカン練習の利点

大迫選手が所属していたNIKEオレゴンプロジェクトでは、ランニングの練習はトラックかクロカンばかりで、ロードでの練習はほとんどやらなかったそうです。トラックでの練習は普通なので、ロードの練習の代わりにクロカンで走っていたという事になりますね。
つまり、ロード練習よりクロカン練習の方が良いと、オレゴンのコーチ達は考えていたと言う事でしょう。では、クロカン練習にはどういう利点があるのでしょうか?

ロードで走るより身体への負担が小さい

ランニングは、何万回もジャンプして着地するスポーツで、着地の度に身体を地面に打ちつけて衝撃を与えている事になります。(参考:ランニングとはダメージコントロールのスポーツである
なので、アスファルトやコンクリートの硬い地面だと、身体への負担が大きくなります。クロカンでは土や下草があったり、良い施設だと芝生やウッドチップを敷き詰めてあったりします。その分、身体への負担が小さくすみます。それによって、ランニング障害や貧血になりにくく、練習を継続してできると考えられます。
(長距離走は、とにかく練習を継続する事が最も重要です。)

地面からの反発が小さい

また、地面が柔らかいので、地面からの反発が小さくなります。ランニングは地面を押してその反作用で地面から反発力をもらい、それによりジャンプして前に進むスポーツです。その反発が小さいと小さくしかジャンプできないので、ちゃんと進むにはより地面を強く押す必要がある訳です。
その時、足の力とかバネで地面を押していると、すぐにバネや筋力を使い切ってしまいます。そうならないために、自分の体重で地面を押す走り方パワーポジションで接地位置が重心の真下になる走り方)をする必要があるのです。
特に登り坂で、前に書いた足首を返して地面を蹴る走り方をしていると、地面が柔らかい分より力を使ってしまい、あっという間にバネを使い切ってふくらはぎを攣る事になってしまいます。そうならない走り方をドリルなどでしっかり練習し、それをクロカン練習で身体に刻み込む感じです。
(参考:地面を蹴らない(ランニングフォーム矯正)

足中のインナーマッスルが鍛えられる

クロカンは不整地で、多少のデコボコがある地面になっています。こういう場所を走ると、足の指や中足骨などの足中の微妙な骨や関節をコントロールしている小さな数多くの筋肉を刺激し活性化してくれるそうです。

少し前に、ケニア人ランナーの速さの秘密を分析した番組で、ケニア人は深部底屈筋群というものが発達していて、それによって着地の衝撃を日本人ランナーより小さくしている、という事が言われていたそうです。そして、ケニア人ランナーが深部底屈筋群が発達しているのは、幼少期に裸足でデコボコの山道を走り回っているからだと。
この結果を受けて、日本で裸足ランブームが起こったんですが、裸足よりも不整地の方か影響が大きいのではないか、と思います。(というのは、さすがに今ではケニア人の子供たちも裸足では走ってないと思うので。)

デコボコした不整地を走る事で、深部底屈筋群が鍛えられるのは、多分、次のような仕組みでしょう。デコボコな地面で着地すると真っ直ぐに力がかからずバランスが崩れてしまう時に、人間の身体では本能的に足指や中足骨などを微妙に動かしてバランスを取ったりしていると考えられます。その時に、深部底屈筋群が使われて、それがたくさんあると、深部底屈筋群が発達するのでしょう。裸足だと足指が自由に動く分、その機能をより使えるとは思いますが、硬い靴でなければ靴を履いていても足指などの微妙な動きはできると思います。
(あと、裸足ランだと足裏表面への刺激、痛みで足が硬直して足指中足骨の微妙な動きどころじゃないと思うんですよね、裸足ランそれなりにやってた人間の感想として。)
そして、深部底屈筋群が発達すると、着地の時の衝撃を小さくする事ができるのでしょう。ランニングをダメージコントロールのスポーツとして捉えたなら、それは大きなアドバンテージになるはずです。

利用できるクロカン施設をみつけてクロカン練習をしよう

クロカン練習の素晴らしさを理解して頂けたでしょうか。きっとクロカン練習をしたくなったのではないでしょうか。
そこで、クロカン練習がいつでもできるように、近くでクロカン走ができる所を探してみてはいかがでしょうか。また、近くではなくても、クロカン練習ができる場所や施設に定期的に行くのも良いと思います。

都内では、例えば駒澤大学のクロカン練習場所として有名な砧公園があります。また、神奈川では相模原麻溝公園のクロカンコースが有名です。千葉では昭和の森公園のクロカンコースも、大会が開かれたりもしています。他にも色々とあると思います。
もし、遠くまで行く余裕がなかったなら、近くの公園の芝生部分を走るだけでも、クロカン気分を味わえると思います(起伏があるともっと最高です)。そうやって、少しでも練習にクロカンを取り入れていただければと思います。
(同時にパワーポジションのドリル足首を固定する練習もした方が良いですね。)

参考記事


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