ランニングとはダメージコントロールのスポーツである
「視点を変えよう」のコーナー、第一弾です。
ランニングというと、皆さん、少しでも速く身体を前に進めるスポーツだ、と思っているのではないでしょうか。
でも、実は、速く進める、スピードを出す事は、ある程度までなら、ランニングの技術をある程度身につけたら、難しい事ではなかったりします。
もちろん、競技者レベルで100分の1秒を少しでも速く走る、というのは大変な事です。でも、市民ランナーである程度速く走るってだけなら、ある程度練習して技術を身につければ、できるようにはなれるんです。
それよりも難しいのは、ある程度、速いスピードで走り続ける事 です。
なぜ、一瞬なら走る事ができる速いスピードを、保ち続ける事が難しいか、というと、スピードを出す事で身体にかかるダメージに耐えきれなくなるから、なんです。
もちろん、力を出し続ける事ができない、というのもあるでしょう。でも、ある程度技術がつけば、それほど力を出さなくてもスピードを出す事はできるようになります(それが流し/ウィンドスプリントです)。でも、力は入っていなくても、そのスピードを続けられる訳ではない。どこかで、スピードに身体が耐えられなくなるポイントが来てしまいます。
また、そんなにスピードを出していなくても、マラソンくらい長い距離になると、途中で足が痛くなったりお腹がいたくなったりとか、どこかが痛んで走れなくなったりもします。
ランニングというのは、ジャンプして片足で着地する、というのを何度も繰り返す運動です。それによって、体重の3倍もの衝撃が身体にかかると言われています。それを何度も何度も、それこそ何万回もやる訳です。
ちょっと計算してみましょう。一歩が一メートルとすると、10キロ走るのに1万歩かかります。フルマラソンだと4万歩くらいになります。つまり、4万回も、体重の3倍の衝撃がかかるって事になるんです。
ランニングって、ものすごく身体にダメージがかかるスポーツだって事がわかると思います。
なので、ランニングで大事なのは、ダメージコントロールなんです。ランニングはダメージコントロールのスポーツだ、と行っても過言ではないでしょう。
逆に、ランニングは、頑張ってスピードを出すスポーツではなく、身体にかかるダメージをいかにコントロールするかのスポーツだ、と捉える事で、色んな事が見えてきます。
例えば、ダメージコントロールの方法としては、次の2通りあるでしょう。
ダメージをいかに小さくするか
ダメージに耐えられる丈夫な身体を作る
ランニングのトレーニングって、このどちらかの意味があると思います。
2つ目の方が分かりやすいですね。ランニングを繰り返して身体を鍛え、最後まで耐えられる身体を作る。あと、筋トレして丈夫な身体を作るって方法も考えられるでしょう。
でも、できるなら1つ目の方が、できたら良いですね。その方が身体にも良さそうです。着地の衝撃を小さくするフォームとか、衝撃を上手く受け止めて身体へのダメージを小さくするとか、が、できると良いですね。
ランニングの技術を、そのような視点で見直してみると、色んな事が理解しやすくなるかもしれません。